森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.26
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私は大福もちが好物なのだが甘過ぎるのには閉口している。
もう少し甘さを抑えた小豆本来の味を出してもらえないものだろうか。
先日お土産でいただいたものは甘さ控えめでこれぞ大福もちという気持ちだった。
「いい仕事をしていますね」という言葉が自然に出てきた。

草柳大蔵氏が「人は生きてきたようにしか死なない」(保健同人社)という本に、本来の蓬餅の製法について書かれていた。20ページである。
それによると蓬餅は、まず、川の土堤に出て蓬を摘む。
土堤のどのあたりの、どの程度の日当たりの、もちろんどのくらいの寸法のものがよいか、間違いなく見わけながら摘んでくる。
餅を作る材料はモチ米とウルチの粉を半分づつ、別々に蒸かし、木臼の中で混ぜて搗く。
搗きながら一升の餅に対して白砂糖を小さな盃に3杯ほど入れ、餅がやわらかいうちに徐々に蓬を入れて、餅がだんだん濃い緑に変わるようなテンポで搗きすすめる。


この仕事でアズキのアクがなくなる。
皮をとったアズキを鍋に入れ、熱を加えながら砂糖を入れるが、肝心なことは、できあがる頃合いを見計らって、ホンの少し手前で耳かきに2、3杯ほどの岩塩を加える。塩が甘さを抑制する。

手間暇をかけて、丁寧に作り方の段階を阿吽の呼吸で踏んでゆくから人に感動を与えるような本物の蓬餅ができるのですね。たかが蓬餅、されど蓬餅だと思います。
これをアンは甘ければ甘いほどお客は喜ぶものだというような先入観で作られては、食べる人はたまらない苦痛を味わうことになる。
自分が食べる身になって作ってもらいたいものである。

これに関連する話として森田先生はこんな話をされている。
酒が嫌いな人がお酌をするとき「どうしてこんなものが飲めるのだろう」という気持ちで注ぐと、無理がゆかないで、酒すぎもうまく飲める。
だが、「あの人は酒が好きだから」と自分の嫌いということを離れて考えると、加減なしにやたら追いかけ追いかけ酒を注ぐので、いくら酒好きでもたまらなくなる。
自分の好き嫌いという感じから出発すると、相手の立場に自分を置き換えて考えることができて思いやりということができる。
相手と気持ちが通じる。同情心がでてくる。(森田全集第5巻696ページ)





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Last updated  2024.04.06 23:38:47
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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