森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.20
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気分変調性障害の例5です。

部下が何人もいて課をまとめて成果を上げることを求められました。
今まで自分の仕事は頑張ってなんとかこなしてきましたが、その仕事を部下に分担して自分は別の仕事をしなくてはならなくなったのです。
自分の仕事は部下の教育、仕事の進捗状況の把握、問題点の抽出、仕事の改善、上司や関連部署への報告、連絡や交渉等です。
Eさんは気分変調性障害で、きちんと仕事をしない部下に不満を感じても、それを注意することができません。
自分が部下の代わりに手をつけてしまう。その方が気が楽なのです。
その結果休日出勤、深夜まで残業するようになりました。
また定期的な所内会議も手をつけることができなくなりました。

すべては自分の指導力不足と考えていたEさんは、部下に仕事を振り分けることができずに、自分の一人で苦しんでいました。

気分変調性障害の人は、人にものを依頼するということができません。
断られた時の不快感に耐えられないのです。
なにごとも悲観的、ネガティブに考えて、罪悪感で苦しんでいます。
考えることが極端で大げさに考えるようになります。そして孤立してきます。

それはそういう病気になっているのです。
Eさんの場合は放置しておくと、大うつ病の発症につながることは目に見えています。
自分の能力、性格、資質の問題として放置しておくとますます窮地に追い込まれます。
病気にかかっているという認識を持つことが大切です。
病気を治すということを優先しなければなりません。すぐに精神科を受診することです。
気分変調性障害の人は、それは逃避であると自分を責めます。これはまずいいことです。


また、精神的におかしくなって仕事ができなくなったと部下や上司、周囲から軽蔑の眼で見られる。
これはどんなにかつらい事と思います。しかし今決断しないと悪循環が続きます。
そして突然、人事異動で左遷や降格を命じられたりすることになります。
その方がもっと傷つくと思います。

私もそういう経験がありましたが、幸いなことに、それでも会社は、安易に退職を迫ることはありません。

また水を得た魚のように生き生きとしてきます。
管理職いうのは、自分のことよりも、部下のことを意の一番に考えることができる人です。
気分変調性障害に陥ると自己防衛的になりますので、基本的に管理職の仕事はちょっと無理ではないかと考えています。
どちらかというと専門職の方があっている。
現実的には難しい面がありますが、そういう意識を持っておくことは大切だと思います。





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Last updated  2015.08.20 06:39:01
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