森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.12.11
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怒りという感情は掃き出すと楽になります。

でもいつも怒りを解放させていると人間関係はめちゃくちゃに壊れてしまいます。
それは境界性人格障害の人を見ているとつくづくと感じます。

怒りの感情は相手との人間関係を悪化させる厄介者だと考えておられる人が多いと思います。
今日は怒りという感情を湧きあがらないようにすることについて、野田俊作氏が興味深いことを述べておられますので見てゆきたいと思います。

怒りを発散させれば、怒りという感情はなくなるという考え方は、怒りが行動の原因だと誤解している考え方ですね。
原因だからそれを無くせばいいだろうと。
つまり怒りという感情だけを見て、憎むべき相手であり、取り除こうとしたり我慢したり耐えたりしている。

でもこの考え方は間違いです。

ほんとうは、怒りは原因ではなく結果なんですよ。
相手を自分の思うように支配したいという目的があって、その目的が達成できないから出てくる感情なのです。目的があってそれが叶えられないから怒りが発生してくる。
結果として怒りが湧き起っているのです。
つまり自分が上か下かというタテの人間関係に固執して、その中で自分が上に立とうとする考え方から必然的に出てくる感情なのです。

だから、誤った目的に向かって生きているという根本的な原因を取り除かなかったら、次から次へと怒りはでてきます。
このように考えることが重要です。
怒りがどんどん湧き起こってくると、私たちの心身はどんどん不健康になっていきます。その怒りは普通内向化して、胃潰瘍になったり、心臓が悪くなったりする。

以上をまとめてみると、怒りという感情は人間関係の持ち方の間違いから起きてきているものなのです。
人間関係の考え方の誤りから引き起こされている。
怒りが自然発生的に湧きあがってくるといいますが、他人を自分の意のままにコントロールしたいという誤った目的があるから出てくることが多いのです。ここが問題なのです。


タテの人間関係では、他人を否定し、ぞんざいに扱う。相手を信用していない。
過保護、過干渉に陥っている。
自分の善悪良否の基準を相手に押し付ける。
対立的、攻撃的になり、力の強い相手からは逃げまくる。
自分から人間関係を悪くする原因を作りながら、それによって自分が苦しんでいるのです。


是非善悪の価値判断をする生き方。これらは百害あって一利なしです。
別の考え方に取り換えなければなりません。

アドラーはこれをヨコの人間関係作りといっております。
そのカギとなるキーワードは、相手を尊敬する。相手を信頼する。
競争をやめて、お互い同士協力すること。共感すること。
理性的に問題解決を図っていくこと。上手に自己主張していくこと。
真の意味での平等観に目覚めて、個人の個性を認めていくこと。完全主義をやめて寛容であること。

私たちはまずはそういう生き方もあるのだという理解から始めないといけないと思います。
これを身につけると配偶者、子供、会社、学校での人間関係ですぐに腹が立つ、怒り狂うことが随分少なくなるのではないでしょうか。
(続アドラー心理学 トーキングセミナー 野田俊作 星雲社参照)





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Last updated  2015.12.11 07:00:28
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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