森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.01.21
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元中学校の校長の関根正明さんはこんな話もされている。
C君が小学生の頃給食を残すととても叱られた。
偏食してはいけないとか、感謝して食べなければいけないとか、いろいろ説教も聞いた。
だから嫌いなものでも我慢して食べた。その日もそうだった。
全部食べたものから校庭にでて遊んでいいことになっていたので、ぼくは校庭にでようとして靴箱のところに行った。
すると担任の先生が、「こら、C男、お前だろ、これ残したのは」といって、給食のお盆とお皿をぼくの胸に突きつけた。
「ぼくではありません。ぼく知りません」と言ったが、先生は「いや、お前に違いない。魚の皮、嫌いなのはお前じゃないか」「先生はみんなのことよく知っているのだ」という。

ぼくは泣きたくなった。
先生は「さあ、食べろ」「先生の目がごまかせるとでも思っているのか」と言って僕の胸に押し付けた。

僕はきたない魚を食べされられた件は決して忘れないだろう。
(「叱り方 うまい先生 下手な先生」関根正明 学陽書房 182ページより引用)

担任の先生はどうして先入観で犯人を決めつけるのだろうか。
どんなに見え見えの凶悪犯人だって、弁護人を立てて、犯人の言い分を聞くではないか。
またきちんとした証拠をあげて犯人を特定しているではないか。
また状況証拠だけで死刑に追い込まれることはまずない。
それは防犯カメラなどの確たる証拠がないと冤罪になる可能性が残されているからである。
それぐらい事実の重みは大きい。

この担任の先生の場合は、あらゆる場面で、事実を軽視していることであろう。
また、家庭でも、教師仲間でも、友人関係でも事実をよく確かめないで、先入観で決めつけを行っていることだろう。
その結果本当の事実との間で常にミスマッチを起こしているだろう。

事実をどこまでも重視する森田理論を是非学習してもらいたいものである。

C君の場合。C君は先生の先入観による決めつけはとても我慢がならないことだろう。
でもそんな理不尽極まることが連続して起こり、絶えず生命の危険にさらされたり、不快な気分にされられるのが現実である。
それへの基本的な対応としては、事実を認めるということだ。
理不尽極まる暴挙を決して許さないという「かくあるべし」や是非善悪の価値判定の前にまずはその事実を認めて、事実は事実として認めてしまうことだ。


そして担任の先生はどうしてそのような先入観で決めつけを行うのだろうかと考えるようになる。
先生の人格の問題だったら対応方法を考えるようになる。
そしたら親に話してPTAで対応してもらうようにした方がいいかもしれない。
また食べ終わったあと「先生、魚は嫌いだったけど全部食べました」と報告するようになるかもしれない。
事実を受けてすぐかっとなって自暴自棄になるのでは何にもならない。
事実を認めてしまえば、腹が立つ前に次に同じようなケースに備えて対応策を立てられるのである。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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