森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.11.07
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「純な心」の適用例を昨日投稿した順序に沿っていろいろと検証してみたい。

森田では入院生の人が、その辺にあった皿を落として割ってしまったという話がよく引き合いに出される。
1、 初一念の感情は、「しまった。手が滑ってしまった。おしいことをしてしまった。残念だ」
初二念は、「先生にきつく叱られるかもしれない。そうなったらイヤだな。怖いな」である。
このどちらの感情も自然に湧きでた感情だ。価値判断なしに感じているのがよろしい。
その感情を素直に味わってみる。それしかできない。

2、 次に初一念はすぐに通り過ぎてしまう。すぐに初二念にとって代わってしまう。
でもここでもう一度思い出してみることだ。初一念はなんだったのかなと。
そうだ。「しまった。手が滑ってしまった。おしいことをしてしまった。残念だ」

「純な心」の体得はここが大変重要になる。

3、 初一念に気づいたら、その気持ちをその場に居合わせた人に伝えてみるのだ。
「しまった。おしいことをした。もう元には戻るまいか。残念だ」
そのことにエネルギーを使うことが事態を好転させる。
その気持ちには、言い訳や自己弁護がない。
こわれた皿のことに向いているので、その場にいた人と同じ気持ちを共有できる。
けんかにならないで、同情してもらえるかもしれない。

4、 引き続いて湧き起ってきた初二念はどう取り扱ったらよいのか。
「こんなところに皿をおいて置くことが間違いだ。責任はその人にある。私は全然悪くない」
「先生にきつく叱られるかもしれない。そうなったらイヤだな。怖いな」
「そうだ。割れた皿をみつからないように隠して捨ててしまおう」

「これと同じような皿を買ってきてもどしておこう」
「自分はそそっかしくてつくづくイヤになる」その他いろいろ。
観念で考えることなので、いろいろと言い訳や責任転嫁、自己嫌悪の感情が湧き起ってくる。

それらの感情は湧きっぱなしにしておく。肝心なことは感じるだけにとどめておく。
口に出そうになっても少しだけ我慢をする。是非そうしてほしい。

自然現象には言いも悪いもないのだ。不快感を払拭するために感情を爆発させたり、相手に責任転嫁したり、責めたりしてはならない。
そうすればどんな結果になるかはあなたが今まで何回も失敗してきたことではないのか。
どんなつらい感情でも時間がある程度経過すれば、楽になってくる。
感情の法則が教えてくれているとおりである。
それは通り過ぎない暴風雨はないのと同じことだ。

そのつらい感情を早く押し出してゆきたければ、その方法がある。
それは目の前のなすべき課題に取り組んでいくことである。
当面は、初一念を思い出して、どう「私メッセージ」で自分の気持ちをどう相手に伝えていくのかを工夫してみるとよい。
つまり新しい行動によって、新しい感情を発生させるという方法である。

「純な心」を実践して行動できるようになると人間関係はたちまち好転してきます。
なぜなら、もともと相手と対立する原因を作らないからです。
またこれは石原加受子さんの言われる自分中心の生き方であり、他人の思惑に振り回される他人中心の考え方とは一線をおく生き方となります。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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