森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.11.24
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今年広島カープで不動の3番打者としてリーグ最強打線を支えた丸選手が、秋季キャンプで打撃スタイルの改造に取り組んでいた。
今季は打率2割9分1厘、20本塁打をマークした。立派な成績だ。
その打撃スタイルを今後も続けていくのかと思っていた。
それだけで今後10年はプロの世界でレギラーを約束されているようなものだ。

実は丸選手は昨年大不振に陥った。
どうにか打棒を取り戻せないかと、打撃改造を試みたのがつい昨秋のことだ。
そこで身につけたのが今年のスタイルだったのだ。
グリップの位置を高く、バットを肩に担ぐようなスタイルで右足を高く上げる新スタイルだった。新たな打法を引っ提げて、今シーズンきっちりと成績を残してきたのだった。

普通ならこんなによい成績を叩き出したのになぜ変える必要があるのか。誰でも疑問に思う。

簡単に言えば、あの苦しんだ昨年の打撃スタイルに限りなく近いのだ。
大丈夫なのか。問題はないのか。
私はせっかく苦労してものにしてきたのになぜ変えるのかと思っていた。

丸選手はこう考えたようだ。
「今季は動きが大きいスタイルでやったけど、大きい分だけズレが出た。
それが3割を打てなかった原因かもしれない。もう少しシンプルにしようと思う」
今年は素人が見ると素晴らしい成績だったのに、それに満足していないのである。
本人はきっと打率3割を下回ったのが納得できないのだろうと思う。
だからリスクを負ってでも果敢に記録に挑戦してみようというチャレンジ精神が湧いてきたのだろう。

そう言えばイチロー選手はオリックス時代「振り子打法」で入団3年目に210本のヒットを打って日本記録を作った。
ところが数年後には「振り子打法」を止めてしまった。なぜか。

これについて、専門家の見立てとしては、入団当時は、線が細く、筋力がまだまだ付いておらず、体重移動を大きくしないと強い打球が打てなかったので、振り子打法を選択していたのだという。
ああいう打法では、打球は強くなるが、ミートは難しくなります。
イチローの天性のミート力があってこその打法です。

それに、相手投手も様々な工夫を凝らし、タイミングを外そうとします。
それに対応するためには、出来るだけアクションを小さくし、相手投手・投法・球種に対応できる様に、イチロー選手自身も進化しなければなりません。

そういうことを考えて、イチロー選手は過去の栄光を思い切って捨てたのです。
そうでないと将来成績が伸びないと踏んだのでしょう。
成功体験にこだわりを持っていると、なかなかできることではありません。

これは森田理論で言うと、いかに過去に大きな成功体験を持っていようとも、めまぐるしく変化する状況に常に目を光らせ、自らを対応させていくということがいかに大切であるかを物語っていると思う。
変化に対応したからといって必ずしも成功するとは限らない。
しかし変化に対応していかなければ成功への道は閉ざされてしまう。
森田理論は周囲の変化に自らをカメレオンのように素早く対応させていくことを勧めている。
それは努力即幸福の世界でもある。





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Last updated  2016.11.24 07:00:17
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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