森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.02.22
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私は以前大阪に単身赴任をしていた時、「関西リフレッシュ懇談会」に参加していた。
とても魅力のあり、会合のある日をいつも楽しみにしていた。
この懇談会は主に定年退職をした人たちが集まっておられた。
懇談会とはいえ、私が参加していた頃は毎回15名以上の参加者があった。
プログラムが今の集談会とは大きく違っていたような気がする。

今の集談会は何処へ参加しても金太郎飴のように内容がよく似通っている。
自己紹介から始まり、森田理論学習、少人数に分かれての体験交流である。
定式化されているために、先が読めてしまい、マンネリ化に陥り、参加者が伸び悩んでいるように思う。
関西リフレッシュ懇談会に参加していて思った事は、森田理論の学習の集まりであるという柱がきちんとしていれば、それ以外のプログラムの内容は臨機応変に自分たちの都合に合わせて変化させていってもいいのではないか、ということでした。むしろそうしないと魅力的な集談会にすることが難しい。


ここ1カ月間の生活の中で体験したことや経験したことを話される。
例えば、最近の体調の事や、最近見た映画のこと、役に立った本、旅行のこと、イベントのこと、役に立つ公共施設のこと、自家菜園の話、最近困っていること、感銘を受けたこと、楽しかったことなどである。持ち時間も普通の集談会よりはずっと長い。 5分から10分ぐらいはあったように思う。
最近はあまりに長い人にはチャイムで何分か前に知らせるようにしているようである。
この自己紹介は自分たちに刺激を与え、生活にハリを持たせる効果があったように思う。
こういう自己紹介は、聞いていてとても新鮮で楽しかった記憶がある。

この懇談会には3本の大きな柱があった。 1つは森田理論の学習である。
2つ目は老後の生活をいかに充実させるか。 3つ目はレクリエーションであった。
だから、森田理論の学習ばかり行う集まりではなかった。
それは基本的には3分の1くらいの時間配分であった。

老後の生活については、健康維持、経済的な自立、生きがいづくりなどがあった。
その他、家族や近隣の人たちとの人間関係の持ち方についても話し合われていた。

その他レクリエーションの内容はとても多彩であった。
実際の老人ホームの見学、落語の鑑賞会、弁当を持参してピクニックに行く。
ピザ窯を持って自給生活を満喫している人を訪ねていたこともある。
あるいは知り合いの様々な専門家を見つけてきて役に立つ話をしてもらう。
私の時は資産運用の専門家に投資信託の話を聞いたことがある。

いずれも直接生活に役立つものであった。

今月号の生活の発見誌に、瞑想やストレッチ、ヨガのようなことをメインにする集談会を作ればいいのではないかという記事があった。私もこの考え方にある程度賛成している。
ただ私は神経症に苦しみ、なんとか森田理論学習を続けることで乗り越えたいと思っていた。
ある程度日常生活が軌道に乗ってくると、今度は森田理論によって神経質性格者としての生き方を模索するようになった。森田理論にはそれに応えるだけの内容があると思っていたのだ。

集談会がそういう役割を持たなかったとしたら、公民館活動で色々とあるサークルとほとんど変わらなかったのではないかと思う。むしろそちらの方が趣向をこらしていて面白そうだ。
でも実際問題、集談会は森田理論の学習という大きな柱があった。その柱をなくするということは、存在意義がなくなってしまうということではなかろうか。
森田理論の学習を継続してきた結果、生き方の指針を持つことができ、実際に生活に大いに活用させていただいてきた。これこそが集談会の生命線であり、それが無くなったら私は参加したくない。

ところが定例会で、最初から終わりまで森田理論にどっぷりと漬かっていると、息が詰まってくるのも事実である。それはいくら好きでも毎日刺身が出されると、しまいにはうんざりしてくる。また、霜降りの牛肉がうまいと言って、毎日出されてもそんなに食べられるものではない。

だから関西リフレッシュ懇談会のように、森田理論学習はプログラムの中で3分の1程度に抑える。
それ以外の時間は別のことをする。例えば、みんなで絵を書いてみる、面白小話や川柳を作ってみる、クラシック音楽を聴いてみる、みんなで歌を歌ってみる。一人一芸大会を開催する。ピクニックに出かけてみる。工場見学をしてみる。パソコンやスマートフォンの使い方を勉強してみる。
生活森田・応用森田のコーナーを拡充する。そして、それぞれの人の持っている知識や特技を紹介してもらう。指圧やマッサージ、ストレッチなどの実技を行う。その他、役に立つ公共施設の情報を交換し合う。私がちょっと思いついただけでも色々と出てくる。
これらを森田理論学習に続いて、集談会進行上の大きなプログラムの柱とする。

あとはレクリエーションをもっと充実させる。
たとえば、集談会の中でサイフォンでコーヒーを振る舞っているところがある。
あるいは集談会が終わった後、喫茶店に行ったり居酒屋に行っているところもある。
レクリエーションも集談会の大きな1つの柱と考えれば色々とそのアイディアは出てくるであろう。

私は森田理論でプラス面マイナス面のどちらかに極端に偏った考え方をしてはならないと学んだ。
ところが集談会は、症状から回復された人ばかりの集いであっても、いつまでも森田理論をこねまわしている。その理論が自分の生活の改善とは無関係になっていてもだ。
これでは変化に対応して状況に合わせることは難しいのではないか。
そうした集談会があちこちにできていることを教訓として学んで、一刻も早く金太郎飴のような集談会から、オリジナリティーのある魅力のある集談会へと脱皮することが必要なのではないでしょうか。





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Last updated  2017.02.22 17:54:58
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