森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.03.26
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カテゴリ: 身近な社会問題
現在アメリカの人口は2億3,000万人である。
この中に移民が7,000万人ほどいるという。
この人たちが低賃金でアメリカの労働者の職を奪っているという。
潤っているのは、不法移民という安い労働力を雇用しているアメリカの企業である。
トランプ政権は移民の規制に乗り出している。この政策はアメリカ国民からは賛同を得ている。
自分たちの仕事を移民が奪っているからである。

特にメキシコとの国境には巨大な壁を作り、不法移民を排除するという。
そもそも、不法移民を容認しているのは、メキシコであるから、費用は全額メキシコに払わせるという。
自分たちの国民は被害者であるという。アメリカは不利益を被っているという。


メキシコは1980年代に債務危機に陥った。
その時に借金の減額の代わりに市場開放をアメリカや国際通貨基金(IMF)から求められた。
このIMFの援助を受けるには、それと引き換えに緊縮財政、規制緩和、民営化が条件となる。
IMFの援助を受けると国内の利権は外資に奪われて、国民の生活はとても苦しくなる。
その後、メキシコ政府は、アメリカが主導した自由貿易協定NAFTAに無理矢理加盟させられることになった。規制緩和、民営化、自由経済が進行して国内経済は混乱した。
メキシコの多くの地場産業は倒産して、アメリカの多国籍企業か多数進出してきた。
公共部門もどんどん民営化されて、アメリカの多国籍企業の餌食となった。
メキシコの国民は多国籍企業に低賃金で働かされてきた。儲けはアメリカの多国籍企業が持ち去った。

最も大きな影響が出た分野は金融部門です。
アメリカ系の銀行がM&Aを繰り返し、メキシコの金融機関を吸収していった。
外資系銀行は証券化商品やデリバティブ商品の販売等投機的手段の事業を増やし、また高利益率を生み出す政府債券の購入、担保付き住宅ローン、消費者ローンに資源を集中させたのです。


農業は壊滅的な影響を受けた。
NAFTA締結前のメキシコ農業は零細な小規模農家によって支えられてきた。
NAFTAによって、メキシコにはアメリカから安いトウモロコシや小麦や米などが入ってきた。
小規模農家は経営が成り立たなくなり、廃業せざるをえなくなった。
そこでメキシコの農家が生きていくために選んだのは、アメリカに移住することだった。

メキシコで生活できれば、自分たちの故郷を捨ててアメリカに移住することはなかったのである。
つまり、不法移民はその主な原因をアメリカの投資会社や多国籍企業が作り出していたのである。
そのことを忘れて、不法移民はけしからんというのは片手落ちではないのか。

アメリカの多国籍企業は、移民の規制については容認していたし、これからも容認するだろう。
無断で国境を越えて仕事にありついた人を、低賃金で働かせることができるからである。
自国民と不法移民が職を奪い合えば合うほど安い労働力を確保できるからである。
他国の国民の生存権を奪うようなことになっても、自分たちの利益の事ばかり考えているのである。
浮かばれないのは、メキシコからの移民と自分たちの低賃金の仕事を奪われたアメリカ国民である。
これは日本にとって他人事では済まされない。その方向で外交交渉をしているのである。
日本はTPPの推進は、結局は自分達の生活を破壊されて、自分たちの首を絞めるものであるという自覚をしっかりと持つことであると思う。無知であることが一番恐ろしいことだ。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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