森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.09.24
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人間は、矛盾した本性を持ち合わせて動いている。
素晴らしく、燃えて生きていきたい。創造的に仕事に挑戦していきたい。
意味のあることをして、社会に貢献したい。みんなの期待に応えて、業績もあげたい。
そう思う一方で、楽をしたい。他人よりもうまい思いをしたい。
考えるのは億劫だし、動くのは面倒だ。
なんとかやらないで済まされないものかと頭をひねる。
多かれ少なかれ、誰でもがこの両面を持って日々生きているのだと思う。
(状況が人を動かす 藤田英夫 、毎日新聞社 175頁より引用)

自分に照らし合わせて考えても、まったくその通りであると思う。

森田理論の中心概念は、 「生の欲望の発揮」である。
生の欲望の範囲は幅広いものがあると言われている。
その中に、問題や課題、夢や目標に向かって努力していくというのがある。
ところが、すぐに解決できない問題や課題、自分の力や能力では太刀打ちできない問題や課題に対しては、容易に挫折してしまう。オリンピック選手になりたいという夢やプロ野球選手になって活躍したいという目標は、能力のある人が、さらに時間をかけて努力精進しないと叶えられない。
目の前の障壁を乗り越え続けるという事は大変しんどいことである。
そのしんどさに耐えることができなくなって、夢や目標を放棄してしまうケースが後を絶たない。
人間はよりよくいきたいという気持ちと、楽をしたい、うまい思いをしたい、という相反する気持ちが常に綱引きをしているようなものである。
よりよくいきたいという気持ちがより強ければ、努力即幸福の状態になり、やりがいや生きがいを持つことができる。
ところが、楽をしたいうまい思いをしたいという気持ちが勝てば、その瞬間は苦しみから解放されて楽になるが、結局は生きる屍となってしまう。
やるべきことができなくなってしまい、暇を持て余すようになる。そうなると自然に考えることが自己内省に向かうようになる。自分の身体や心に注意や意識が向くようになる。エネルギーの使い方が外向きから内向きに変わってくるのである。
また一方には、そんな自分を見て、批判したり、否定するもう1人の自分が、自分という1人の人間の中に新たに生まれてくる。そして、そうした人間がどんどん力をつけて、現実の自分を思うがままに支配するようになる。

森田理論では、この状態を「思想の矛盾」に陥っていると説明している。
森田理論では、この思想の矛盾はなんとしてでも解消しなければならない。
それはとりもなおさず、事実本位・物事本位の生活態度を体得していくことである。
その方法は「純な心」「私メッセージ」を始めとして、様々に提案されている。
私は「森田理論全体像」の中で、 「生の欲望の発揮」から、「かくあるべし」思考に陥って葛藤や苦悩を抱えてしまう原因をこのカラクリによって引き起こされているものと考えている。





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Last updated  2017.09.24 06:30:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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