森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.10.02
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カテゴリ: 行動のポイント
先日の集談会で面白い話があった。
その方は長らく町内会の役員をされている方である。
町内会では毎年町内会祭があり、いろんな出店がでる。
その方は毎回おでんの出店を切り盛りされている。
最近はおでんの中にジャガイモを取り入れることに挑戦されているという。
80個ぐらいジャガイモを用意されているという。
おでんの中でもジャガイモ大変難しいそうだ。
それはすぐに煮崩れするからである。 40分ぐらい鍋の中にいれていると煮崩れしてくるといわれる。
インターネットで調べたり、おでん専門店に行ったりして、どうしたら煮崩れしないジャガイモのおでんができるか研究をされたという。

今までは大きな鍋でおでんを作っていたが、町内会に頼んでコンビニにあるような電気鍋を買ってもらった。これでいったん出来上がったおでんは温めるだけに温度調整ができるようになった。

おでん専門店で聞いたところ、ジャガイモは一旦茹であがると、別の空の鍋に移しておくそうだ。
必要に応じてそこからおでん鍋に移していく。それが売れればまた追加していくやり方をとるとよいと言われた。その時の温度は、急激にあげたりしないで温める程度にする。
そのやり方でいかに味を染み込ませるかがコツであるという。
そのやり方でやったところ、ほとんど煮崩れをしないジャガイモのおでんができるようになったという。
最近では評判になりすべてのジャガイモが完売できるようになったといわれた。
本人も自信が出てきて、ますます町内会活動に積極的に参加するようになったという。
集談会の参加者は、「これは素晴らしい森田実践である」と最大限の賛辞を贈った。

これは実に森田的な体験であると思う。
最初は嫌々町内会活動を引き受けたにもかかわらず、自分の与えられた役割を全うするべく熱心に取り込まれたのである。すると次から次にアイディアが浮かび、創意工夫が出てきた。
そうしているうちにおでん作りがとても楽しみになってきた。

これは森田先生が、入院森田療法の中で入院生に適宜指導されていた内容と同じことである。
これは私たちもとても参考になる。最初は嫌々仕方なしに手をつけることであっても、 「ものそのものになりきる」態度によって、新しい感じが生まれてくる。次第にその感じは高まっていく。
すると、気づき、工夫や発見、アイディアなどが生まれてくる。次第に意欲が高まってやる気に火がついてくる。その段階ではもうすでに自分の症状のみに格闘する段階から離れているのである。
神経症のアリ地獄からぬけ出る道は、まさにここにあると思うのである。
この方は忙しくてあまり集談会に参加できなくなっているが、この話を聞いただけで森田を生活の中に活かして充実した人生を過ごされていることがよく分かった。





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Last updated  2017.10.02 06:30:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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