森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.04.12
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「日々是好日」について、永杉喜輔さんは次のように説明している。
森田正馬博士によると、 「日々是好日」とは、 「溺れる者は藁をも掴む」ということだという。
私は「毎日を楽しく生きること」だと思っていた。どうもそれは違うようだ。
森田博士によると、例えば、ある人が子供を亡くするまで1年間、寝食忘れて看病を尽くしたが、その時の心持ちが「日々是好日」であるという。
そういえば、妻が亡くなる前、戦争中食物のない中、子供3人を育てていた時が1番幸せだったと語り合ったことがある。
森田博士曰く。 「日々是好日」とは、座禅をして陶然とすることではない。
日常、朝も晩も、生も死も、楽しくても苦しくても、皆それぞれが好日なのである。
腹がへれば飯を食いたいということが「日々是好日」だという。
あれも欲しい、これも欲しい、その心は、すなわち好日である。

また上がった。しかしまた下がるだろうと勝手に思う。この勝手な希望を森田博士は「思想の矛盾」というのだが、思ったように熱が下がらないと動揺し、不安が不安を呼んでますます苦しくなるのだ。
熱が上がったら上がったに任せ、下がったら下がったにに任せておけば、そのうちにうまい考えも浮かんでくる。
熱があるから、体が不自由だから、金がないから好日ではないと言うのではない。
あらんかぎりの力で生き抜こうとする希望、そのひらめきが「日々是好日」なのである。
危ない時はびくびくハラハラしながら前へ前へと追いたてられる。
生きている事実は万人共通で、それが「日々是好日」である。
屁理屈を言わないで事実を事実として認めながら前進することが「日々是好日」であることを自覚すること、これが最も健康な生き方である。このなんでもないことの自覚が実は1番難しいことです。
(凡人の道 永杉喜輔 渓声社 145頁より引用)

「日々是好日」は、観念的に考えると、トラブルや問題がなく、楽しく愉快に過ごすことができた日を想定しやすい。しかしそういう毎日を好日とは言わないのである。またそういうことはあり得ない。
仕事、家事や育児、日常茶飯事、問題や課題、目標や夢が全くない状態を想像してみるとよい。
実に味気ない。好日とは、問題や課題、夢や目標に向かって果敢にチャレンジしている状態そのもののことを言うのである。

気が進まない中、イライラしながらなんとかしようと一心不乱に悪戦苦闘している状態そのものが、幸福な人生を送っているという事である。
考えてみればそんな体験はみんな持っているのではなかろうか。
つまり問題や課題、日常生活に真剣に取り組んでいる人は、「日々是好日」なのである。





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Last updated  2018.04.12 06:30:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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