森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.04.13
XML
無量寺住職の青山俊董さんのお話です。

ここに一瓶の花は生けられている。
白蓮の枝がおおらかに立ち上がり、その中間に淡いピンクの百合が、ひかえめながらしっかりと焦点を絞り、その下に水仙が春の色の黄で根元には柳を添え、その全体をこでまりが伸びやかな曲線を見せながら、下からつつみうけている。
白蓮の素朴なゴツゴツとした線と、こでまりの柔らかい変化に富んだ線の調和、白と淡紅と黄と緑の色の調和が、床の間の空間、果ては書院全体の空間を、さらにはそれを眺める人々の心までも、美しい春のいろどりに染めてくれる。色も姿も皆同じでは一瓶の花にならない。
皆違った姿を持ち、それぞれの持ち味を充分に生かしてくれてこそ、 一瓶の花が成り立つ。
しかも、それぞれの個性を十分に持っていても、互いに調和していなければ一瓶の花はほとんどなりたたない。
どんな小さな枝も、葉一枚も互いに生かしあいこそすれ、競いあったり邪魔しあったりすることのないよう、きめ細かく心が配られて初めて、 一瓶の花は美しい調和のあるものとなる。
(凡人の道 渓声社 228ページより引用)

私は生花、フラワーアーティストといえば假屋崎省吾氏を思い浮かべる。

素人がいけた花をひと目見ただけで、どこにバランス上の問題があるかすぐにわかるようだ。
修正された作品とその説明を聞くとなるほどと納得できる。
もともとバランス感覚が優れていたのか、その後に精進して獲得されたものかよくわからないが、バランス感覚の優れた方である。こういう方は生き方に無理がかからないように感じる。

森田理論学習すると、精神拮抗作用や両面観の学習をする。
これは森田理論の大きな学習テーマとなっている。
私たちが神経症で苦しんでいるときは、本来大事にしなければならないバランスや調和が崩れている。
不安や恐怖一辺倒に偏っていたり、あるいはその反動として本能的な欲望に偏っていたりする。
本来、欲望と不安はあざなえる縄のような関係にあり、どちらかに偏ることがあってはならない。
バランスをとる必要があるのである。この関係は車のアクセルとブレーキに例えるとわかりやすい。
アクセルを踏みこまないと車は前には進まない。アクセルを踏み込むことが一番大事である。
ところが、ブレーキが壊れている車は凶器となる。危ないというより、破滅してしまう。

しかし、それにのめりこむことは躁鬱病の躁の状態と同じである。
問題行動が多く、周囲との調和を欠く。
不安を活用しながら、欲望を制御することも大切である。
私はそのために意識付けとして、やじろべいや、天秤を机の前に置いている。
常に両面観で物事を見たり考えたりする習慣が育ってきたように思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2018.04.13 06:30:11
コメントを書く
[森田理論の基本的な考え方] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: