森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.05.28
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神経質者の大きな特徴は、 2つの相対立する考えが頭に浮かぶと、性急にどちらかに態度を決めようとすることである。

例えば、付き合いたいと思うような素敵な異性がいたとする。
その人のことを思えば思うほど、どうにかして友達になりたいと思う。
できれば将来結婚できたらよいなと思ってしまう。
ところが、そうした強い欲望があるにも関わらず、一方でもし交際を申し込んで断られたらどうしようという不安も浮かんでくる。
神経質者の場合は、交際を申し込んで断られることばかりをネガティブに考えてしまう。
そして最終的には、そんな嫌な辛い思いをするのだったら、交際を申し込むのをやめておこうと考えてしまう。
この場合は、付き合いたいという欲望は蚊帳の外になり、 一時的な安楽の方法を選んでいるのだ。
その結果はどうか。嫌な辛い思いをすることはなかったが、異性と付き合う事は永遠に巡ってこない。

その時、思い切って相手の気持ちを確かめておけばよかったと思っても、すでに時遅しである。
神経質者の場合、こういう例のオンパレードである。

別の例を出してみよう。
今日は会社の懇親会だ。アルコールの好きな人は、始まる前から嬉しい。
今日は飲み放題、食べ放題だ。たらふく美味しい料理が食べれて、浴びるほどビールが飲める。
しかし一方では、持病がありお医者さんからアルコールは控えるように言われている。
このような場合、普通はビールをたくさん飲みたいという欲望と健康のためにアルコールはたしなむ程度にしようという気持ちがせめぎあう。
自分の態度が右へ行ったり左へ行ったり落ちつかない状態にあるのだ。
その気持ちはどっちつかずで実に居心地が悪い。
その時、そのどちらかに態度を決めてしまうと、気分的にはスッキリする。
神経質者の場合、性急にどちらかに態度を決めてしまうという特徴がある。

そういう態度になると、誰よりも先におかわりをし、時には一気に飲み干したりする。
料理を食べるよりも飲むほうを優先する。次第に酩酊状態に陥り、饒舌になり、人の気に障るような事を言う。そのうち意識が朦朧として、 1人では歩けなくなる。
次の日は二日酔いになり、仕事にはならない。これは極端な例かもしれないが、ビールを思い切り飲んでしまおうという風に態度を決めてしまっているのである。
本来は、ビールを思い切り飲みたいという欲望と無茶苦茶に飲んではいけないという抑制力との調和を取ることが肝心なのである。神経質者はそのバランスをとることがとてもへたくそなのである。
態度をはっきりさせて気分的に迷いのない状態、すっきりした状態に持っていきたいのである。

しかし実際には気分がスッキリしないどころか、その後の展開がよくない。あまりにも悪すぎる。
結果が分かってから反省しても遅いのである。
どちらにしようか迷っているうちに、その居心地の悪い状況を持ちこたえながら、右や左にさまよっている状態が1番適切な対応なのである。
これは森田理論学習で言うと、両面観、精神拮抗作用、不安と欲望の関係でしっかりと理解しておくべき内容である。
森田理論学習では、調和やバランスの理解と実践がとても大きな柱となっているのである。





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Last updated  2018.05.28 06:50:19
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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