森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.09.13
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
サッカーの岡田武史さんは、小さいことでいいから成功体験を積み重ねていくのが大事なんですが、その時短所をカバーしようとするより、長所を伸ばそうと考える方がうまくいくように思うと言われている。
サッカーの監督時代は、それぞれの選手の長所を見るようにしていました。
短所ばかり見ていると、 「こいつ、使えないな」と思ってしまいます。
よいところを意識して見ていると、 「何とか使い物になるかな」と考えられるようになる。
すると、ほめる回数も増えていくので、選手のほうもやる気が出てくるのです。
試合前にも必ず、 「ここにいる選手はみんな、必ずいいところを持っている。試合ではその長所を生かせ」と言っていました。
チーム全体でも、長所をどんどん押し出していくと、自然に欠点まで消えることがあります。
逆に、せっかく連勝して波に乗っているのに、あえて欠点を修正し、完璧を目指そうとして、ガタガタとチームが崩れていく経験を何度もしました。

プロ野球の王貞治さんは、巨人入団から3年目に、ホームランを打つために、2本足打法から 1本足打法にしました。1本足打法は長打が出やすいという長所がありました。

監督やコーチからはその短所を埋めるために、バランスの良い2本足打法に戻すようにアドバイスされました。しかしどうしても、 2本足打法にすると途端に長打が出なくなるのです。
僕の持って生まれた最大の特徴である球を遠くに飛ばすという長所を生かすことができないのです。
ホームランを目指していた僕は「自分には1本足しかない」と思って頑としてゆずりませんでした。
(人生で本当に大切なこと 王貞治 岡田武史 幻冬舎新書 142ページより引用)

短所を直そうとすればするほど、長所を伸ばすことがおろそかになります。
どうしても注意や意識が短所の修正ばかりに向いてしまいます。
そのうち、長所はもともとあるものだから、手をかけなくても大丈夫だと考えるようになります。
この考えは大変危険です。長所を伸ばす努力を怠ると長所を伸ばすことはできません。
さらに、長所を放置していると、本来あった長所は目減りしていくのです。
ヤスリをかけて小さくなっていくようなことになります。
それでなくても、短所を人並みに引き上げるには、相当な努力や時間が必要になります。

ですから、基本的には、自分が持って生まれた、もともと備わっている能力に光を当てて、磨きをかけていく態度が重要になります。

社会生活に影響するような短所を放置していても構わないのかという反論が聞こえてきそうです。
当然短所も修正することが必要な場合もあります。
しかし、ここで言いたい事は、それは程度問題だということです。
短所を修正する前に、長所を伸ばすことに真っ先に取り組みましようということなのです。


森田理論の中に「物の性を尽くす」というのがあります。
自分、他人、物、時間、お金に至るまで、今あるものをとことん活用し尽くすということです。
自分を生かすということは、人にあって自分にないものを追い求めることではなく、自分に備わっているものを自覚して、磨きをかけるという方面の努力を怠らないようにするということです。





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Last updated  2018.09.13 06:30:12
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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