「 遠くからみている
」
という言葉がある。
知的発達障害の人々は、年老いた両親が支援していることが多い。
一方で、両親ではなく、第三者が援助していいる場合もある。
一般的には、第三者が応援している方が、成功していることが多い。
若い障害者夫婦が両親と同居していると、最も破綻しやすい。
両親がスープの冷めない距離より、少し離れたところから見守ることができている場合が、若い夫婦の生活は最も安定している。
これは両親が障害者の子供に直接援助したり、口出しが出来ないからである。
親子が離れて生活しているから、共依存に陥らないのである。
この状態は、両親が過度な干渉を控えて「遠くからみている」ことになる。
子供の自立を助けるというのは、そういうことであろう。
しかし、遠くから見ていることができるのは、見ている人自身の自律や自立がしっかりしていなければならない。相手を信じられない人は、実は自分を信じることができないでいる。
佐々木正美さんは、子供を育てると言う事は、遠くから見守ることと、信じて待っていることだと思っている。育児に失敗する親は、遠くから見ていられない親なんです。
僕は育てる喜びと言う事は、「 待つ喜びだ
」と思います。
自分の子供は挫折したり、迷ったとき、親としてどれだけ待ってあげるのかは、親の最大の役割だと思っています。
待つ間、親は心配しない、悩まない、苛立たないために、夫婦で待っている何年間も豊かに会話をして、両親の世界をちゃんと持つ。子供に近づきすぎずに遠くから見ている。
これは、 1人ではできないことです。その間(ま)を夫婦で持たせることが大切だと思います。
もちろん子供を信じられなかったら待てないですね。
(相田みつをいのちのことば 佐々木正美 小学館 38ページ、 98ページより引用)
パラサイトシングルという言葉がある。幾つになっても、両親と同居して、親の経済的な援助を享受しながら独身生活を謳歌している人のことである。
普通は動物でも自分で生活できるようになると、親元から離れていく。
伴侶を探して、子供を産み、経済的にも精神的にも親から自立して生きていくようになる。
親とはたまに連絡を取り合うだけの関係になっていく。
いつまでも親と一緒に生活していると、子供のほうにどうしても甘えが出てしまう。
親も子供がかわいいので、必要以上にできるだけのことをしてしまう。
経済的な面だけではなく、精神的な面でもいろいろと口を出すようになる。
子供が親の援助を受け続け、親が子供に過剰に援助することが生きがいになってくると大変なことだ。
お互いが自分の人生を生きているのではなく、お互いの自立した生き方や向上発展の目をことごとくつぶしてしまうようになるからだ。
母子密着という言葉があるが、それは0歳から3歳ぐらいまでのことだ。
その後は次第に距離を広げて、親は過保護、過干渉を止めて、子供の側にいるが「 遠くからみている
」状態に変化することが大切だと思う。
不平不満への対応 2025.11.05
後悔や罪悪感で苦しんでいる人へ 2025.07.15
老子の「上善は水の若し」について 2025.05.10
PR
Keyword Search
楽天星no1さん
メルトスライム25さんCategory
Comments
Calendar