森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.10.23
XML
あるお父さんは、小学2年生の次男がヨーヨーのカタログに夢中なのに気づいていました。
次男はカタログに載っているヨーヨーについてはすべて覚えていました。
いろいろとうんちくを傾けるのも好きでした。
かといって「ヨーヨーが欲しい」と言った事は1度もなく、実際に誰かに借りてやったこともないようでした。見て楽しんでいる段階だったのでしょう。

ところが、 2ヶ月ほど経った頃、父親が突然ヨーヨーを買ってきました。
お母さんは驚きました。次男は「ヨーヨーが欲しい」とは一言も言っていなかったからです。
ずっと次男の様子を見ていた父親は「そんなに好きなら」と、かなり値の張るものを選んで買ってきたのです。
結局、買い与えたヨーヨーは与えられたというだけで、実際に使われることなく、引き出しの中に今も眠っています。
次男はヨーヨーそのものが欲しかったわけではなかったのでしょう。

もしかすると、もう少ししたら自分でもやってみたいと思うようになったかもしれません。
そのまま別のものに興味が移っていったかもしれません。
とにかく次男は「欲しい」とは言わなかった。それなのに、父親が買い与えてしまった。
なんでも買ってやり、子供の喜ぶ顔が見たい。それが親の愛のあかしのように思う風潮は、 「豊かさ」が人間をダメにする1つの落とし穴です。
モノを大切にせず、ものを欲しがる子供が、そこから育ってくることを忘れてはなりません。
(ちゃんとがまんのできる子に 田中喜美子 php研究所 72ページより引用)

森田理論に「砕啄同時」 (さいたくどうじ)という言葉があります。
砕は卵から雛が生まれる時に、自然に成熟してからを破って出てくることである。
啄というのは、母親はそれをくちばしで突き破ってやることである。
これがもし親鳥が慌てて早く殻を壊さば、雛は早熟で生育することができない。
これに反して成熟した雛が、殻を破ることができなければ、窒息して死ぬということになる。


この例では、子供が欲しいと言う前に、父親が子供にヨーヨーを買い与えた。
親が子どもの機嫌をとるために先走ったのである。
これは子供を甘やかされているということではなかろうか。
子供を甘やかしると、我慢ができない子供になってしまう。
大人になって欲望が暴走しても、本来備わっている制御機能が働かなくなるのである。


この場合は、子供がヨーヨーが欲しいと言いだすまで親が我慢する必要がある。
仮に子供が欲しいと言っても、すぐにホイホイと買い与えるようではいけない。
仮に3週間待って、やっぱり欲しいといえば買ってあげる
もっと言えば、自分で小遣いを貯める。お年玉をもらうまで待つ。誕生日やクリスマスまで待つ。
要するに、欲しいものがあれば何でもすぐに買ってもらえるのだという気持ちにさせてはならない。
大切なのは、我慢しなければ欲しいものは手に入らない。努力しなければ欲しいものは手に入らない。
このような育て方をすれば、忍耐力がつき、自分の欲しいものを手に入れるために努力する子供に育つ。
甘やかされて育つと、依存する子供に育ち、欲しいものが手に入らないとすぐにキレるようになる。
それは子供にとっても親にとっても不幸な関係になってしまう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.04.07 13:14:37
コメント(0) | コメントを書く
[子育て、しつけ、教育] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

メダカを飼っています New! 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: