森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.10.26
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​玉野井幹雄さんは、不安には「健全な不安」と「神経症的不安」があると言われています。
この2つをしっかりと区別することが大切だと言われています。

「健全な不安」とは、建設的な欲望と結びついている不安のことです。
この不安は欲望を実現するために必要なものです。
欲望→不安→準備→実行→結果→再計画(新しい欲望) → ・ ・ ・
という建設的なコースを進むうえで重要な役割を果たしています。

私たちは不安があるおかげで、欲望を実現するために必要な対策や準備をすることができます。
私たちがこの世で生きるということは、欲望を実現していくことだと言ってもいいと思います。
その欲望をしっかりと認識するために、不安は大いに役立っているのです。

「不安は安心のための用心である」という言葉がありますが、不安は欲望を実現するために大いに役に立っているのです。

これに対して、 「神経症的な不安」というのは、欲望を実現するために必要な不安を、あってはならないものとして問題視する不安です。
つまり、不安そのものを問題にする不安であり、それが神経症的不安の特徴です。
したがって、それは、 「不安の原因も不安」という問題になっているために、その不安除去の心理的悪循環は止まることがなく続きます。
精神交互作用によって、不安はどんどん膨らみ、ついにははからいをすればするほど、アリ地獄の底へと落ち込んでしまうのです。
この段階では、生の欲望の発揮については全く考えが及びません。蚊帳の外になっているのです。
つまり、欲望と不安のバランスが崩れています。
注意や意識が不安にばかり偏っており、極めて危険な状態です。

すでに神経症的不安にとらわれてしまった人は、 どうすればよいのでしょうか。
不安にばかりとらわれている状態から、抜け出す必要かあります。
森田理論では、苦しいけれども、不安はそのままにしておく。

言い換えると、不安のことばかり考えている状態から、欲望のこともしっかりと視野に入れて、 不安と欲望の調和を回復 させることに注力するということになります。

(神経質にありがとう 私の森田療法 玉野井幹雄  白揚社参照)​





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Last updated  2018.10.26 17:47:16
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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