森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.10.30
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不安やストレスを長期間抱えていると、前頭前野や海馬などの神経細胞がダメージを受けて回復できなくなります。
ネズミをぬるま湯を貯めた円筒形の水槽に入れると、ネズミは壁面を這い上がって逃げようとします。
しかし、表面がツルツルしているので、スリップして水の中に落ち込んでしまいます。
その状態で10分ほど格闘すると、ネズミは精魂尽き果てて、逃げることを諦め、体が沈み込むことにも無抵抗になります。
翌日同じことをすると、今度は二分も持たずに、もがくのをやめて、無反応になってしまう。

人間の場合も同じである。自分の力ではどうすることもできず、絶望するところまで追い詰められると、現実の困難に立ち向かおうとする気力自体をなくしてしまう。
子供の時に、親からいつも大声で怒鳴られて成長した人は、大人になっても、人と会うと過度に緊張し、不安や恐怖を感じやすくなる。対人恐怖症に発展するのである。
子供の頃に受けた体験は、生涯にわたって深刻なストレス障害を受ける。

また、過重なノルマと責任を背負わされ、失敗や非難の不安に怯えながら、長時間の労働を強いられる現代のサラリーマンは、ともすると水槽の中でもがいているネズミのような状態になる。

人間の場合、そこまで追い詰められると、復活するのにもっと長い時間がかかってしまう。

うつ病になる人は、不安やストレスに長期間さらされて、前頭前野や海馬などの神経細胞が多少なりとも破壊されている可能性がある。どうすれば不安やストレスを軽減することができるだろうか。

不安については、森田理論学習によって、不安の特徴と役割について学ぶことが大切であると思う。
これは神経症の人に限らず、心の健康を維持するために全員が学ぶ必要がある。
不安は、今取り組んでいることの中で、問題点や課題を教えてくれる。
適切に対応することによって、失敗を防ぐことができる。
不安は重要な役割を果たしている側面がある。だから不安を邪魔者扱いしてはならない。

次に不安は欲望と裏腹の関係にあることを教えてくれている。
不安を活用しながら、注意深く欲望に向かって生活していくことが大切であることを教えてくれた。
不安で押しつぶされそうになったときは、不安には手をつけない。
欲望のほうに注意や意識を向けて生活する。

そういう方向にエネルギーを投入して生活していくことが大切なのである。
森田理論を学習して、日々の生活に活かしていれば、不安にとりつかれて、精神交互作用で神経症を発症することは少なくなると思われる。

長期間ストレスにさらされるという事は、現代社会では自分の力では避ける事は難しいと思われる。
ではどうすればよいのか。私は生活のバランスを整えるという事を提案したい。
仕事や勉強だけの生活は回避しなければならない。家庭生活、地域活動、ボランティア活動、趣味の活動、運動をする、バランスのとれた食生活、様々な人間関係づくりなどにも力を入れて、偏らない生活を作り上げることが大切である。生活を楽しむという気持ちが大切であると思う。






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Last updated  2018.10.30 16:16:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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