森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.11.01
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私は現在マンションの管理人をしている。
掃除のために10階建てのマンションの外階段を上ったり下がったりしている。
私は慰問で獅子舞をしているために、仕事をしながら足腰を鍛えているのである。
階段の上り下りをしていて気がついたことだが、下っているときはゴミがよく見えていない。
反対に階段を上っているときは、ゴミの存在によく気がつく。
その差は格段に違うことに気がついた。階段の掃除には上から見ただけではきれいにならない。
下から階段を一段づつ上りながら見ることが肝心であることがわかった。
それも一番下から1回だけ見るというのではなく、何段階にも分けて見ることが有効であることがわかった。

話は変わるが、大学時代、神奈川県の丹沢で沢登りに夢中になったことがある。

経験を積んだインストラクターが先に見本を見せて登っていく。
そのインストラクターが頂上から命綱を投げてくれる。
我々素人はその命綱を体に巻き付け、ヘルメットかぶって登っていくのだ。
登っているときは、無我夢中だった。気を抜けば落下する。
目の前のしっかりした手や足がかけられるような岩を見つけて、慎重に登っていく。
その繰り返しに集中しており、ほとんど恐怖は感じなかった。
森田理論で言う「努力即幸福」の体験であった。

ところがある時、余裕が出てきて、今登ってきたところを見たときに何とも言えない恐怖心が沸き起こってきた。急に死の恐怖がわき起こってきて、手や足の震えが止まらなくなった。
もうそれ以上登ることができなくなり、ロープで釣り上げてもらい命拾いした。
頂上から下に降りてみると、登り口の近くにたくさんの墓標があることに気がついた。
ここでたくさんの人が命を落としているのだと感じると途端に恐怖心に火がついた。



話は変わるが、会社などでは、部下は割と正確に上司のことをよく見ている。
反対に上司は見ているつもりでも、部下のことがよく見えていないことが多い。
親もそうだ。親は子供のことを何でも知っていると思っているが、案外そうでもない。
それ以上に、子供は親の事をよく見ていると思う。
しぐさや行動パターン、考え方に至るまで全て親に似てくるのは、観察の賜物であると思う。


抜け落ちてしまうことがたくさんあるということである。
反対に、下から上目線で見るという態度は多くのメリットがある。
そのほうが物事がよく見える。問題点や課題がより多く見つかるのだ。
物事本位の生活態度に移行しやすい。
これは事実に立脚して物事を観察するのと、「かくあるべし」で物事を判断することの違いであると思う。森田理論のキーワードの1つとして、 「 上から下目線ではなく、下から上目線で物事を見る 」を付け加えたいと思う。





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Last updated  2024.06.02 08:03:00
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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