森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.11.14
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プロ野球の試合を見ていると、今ピッチャーが投げたボールは明らかにストライクではないのかと思うことがある。
投げているピッチャーはよほど精神的にこたえるのだろう。
明らかに不満をあらわにする選手もいる。アンパイヤの判定を受け入れることができないのだ。
ストライクとボールのリプレイ検証というものはないのにもかかわらず、その事実を認められないのだ。
その結果どうなるのか。頭が怒りでいっぱいになる。気持ちが切り替えられなくなる。
相手バッターと対戦する前に、頭の中でアンバイヤに勝負を挑むような状態になる。
冷静になって勝負を組み立てるというよりは、やぶれかぶれの投球に陥りやすい。
そして、相手打者に痛打されて、最後にはピッチャー交代ということになる。

メジャーリーグの試合を見ていると、ストライクとボールの判定をめぐって、バッターがアンパイヤにクレームをつけている場面に出くわすことがある。

判定は覆る訳もないのに、怒りを発散させないと苦しくて仕方がないのだ。
しかし、怒りを発散させて、次のボールに冷静な気持ちで立ち向かえるかと言うと、それは逆である。
頭に血が上っており、相手の配給を読んで、相手ピッチャーと勝負するという気持ちが希薄になっている。どんな球でも飛びついて、三振や凡打に終わってしまうケースがとても多い。

イチロー選手は、審判の微妙な判定に抗議しない。イチロー選手は次のように考えている。
「審判はジャッジするのが仕事。自分はボールを打つのが仕事。だからボールのジャッジは審判に任せる」その信念がある。だから決してクレームをつけたことはない。
イチロー選手でも、今の球はボールと判定してほしいという時はあるだろう。
でも、審判も人間だ。人間にはミスがつきものだ。
その結果、どちらとも取れるよう球を、ボールと判定したり、ストライクと判定しているのだ。
私たちはその事実を受け入れるしかない。
そして次の打席で同じようなボールが来た時は、どのようにして撃ち返すのか。

イチロー選手の頭の中は、審判に対する不平不満に取り付かれて怒りが増幅することはない。

これは、神経症で、不安や恐怖、不快感で格闘している我々にとってとても参考になる話である。
理不尽な事実に対して、それに反旗を翻すよりは、素直に事実を受け入れて、次に自分がどのような行動をとるのか。その方面に舵を切り直していくことが、よほど意味のあることだと教えてくれている。





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Last updated  2018.11.14 06:30:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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