森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.11.15
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集談会でこんな話を聞いた。
以前の仕事は大変忙しく、仕事上の不安が常にたくさん存在していた。
次から次へと仕事を片付けていかなければならず、症状を気にしている暇もなかった。
簡単に片付く仕事から、どんどん仕事を片付けていくのが精一杯だった。
胃腸神経症という症状については考える暇もなかったせいか、気にならなかった。

現在の仕事は、自分のペースでのんびりと仕事ができる部署に異動した。
すると、とたんに胃腸神経症の症状のことが気になりだした。
この不安を無くしてしまおうと格闘しているうちに、神経症がひどくなった。
現在は寝ても覚めても、胃腸に注意が向いてしまう。


そんな不安に振り回されない部署に移動したとたんに、神経症がぶり返してきた。
これはどういうことなのでしょうかと質問された。

これは、仕事で忙しかった時は、頭の中で、症状以外の事を考える割合が多かったことが考えられる。
ところが、自分のペースでのんびりと仕事ができる部署に異動した途端、頭の中で症状について考える割合が、格段に増えたという事だと思います。

森田理論では、新しい行動に取り組んでいくと、新しい感情が発生する。
以前の不安に加えて、新たな不安や喜びの感情が発生するのである。
すると、以前の不安に対する感じ方は変化する。
時間の経過に伴う変化とともに、不安の数が増えることによって、以前の不安に左右される度合いが減少していく。
つまり不安の数が増えるということによって、症状だけに集中していた意識や注意が分散されるのである。実生活上の不安に対応していると、神経症的な不安が問題になることはない。
このようにして、頭の中で症状のみにかかわり、苦しんでいた状態が変化していくのである。

こういうことから考えると、休日や祝日などの過ごし方は注意する必要がある。

精神状態が一挙に緊張状態から弛緩状態に陥り、症状に意識や注意が向きやすくなるのである。
休みの日は普段から計画を立てて、朝から懸案の事項をどんどん片付けていくという生活態度が大切であると思う。
このようにして、頭の中で症状のみにかかわり、苦しんでいた状態が変化していくのである。





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Last updated  2018.11.15 06:30:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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