森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.12.31
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対人恐怖症の人は、人の思惑がとても気になるという。
他人から何を言われても、あまり気にしないで、目の前のことに集中したいのだろう。
こういう人は、自分の感情や気持ち、自分の意思を相手に伝えていないように思う。
私の話など聞いてくれるはずはないと決めつけている。
どうせ私の気持ちなどは認めてもらえないと諦めている。
あるいは自己主張するのは疲れる。このままでいいと妥協している。
もしそんなことをすれば、言い争いになる。ケンカになる。
周囲の人を巻き込んで、人間関係が損なわれてしまうと思っている。
挙句の果てに、あの人は自分の感情がコントロールできない危険な人物とみなされて、警戒され孤立することを恐れているのだ。

しかしそれは表面的なものだけで、心の中では不平不満が蓄積されている。
そのためにストレスを感じ、いつもイライラして、精神的に追い込まれて生きていくのがつらいのだ。
不安や恐怖や怯えを感じているのだ。

そして心の中では相手を責めて、相手に振り回されながら、不平不満を募らせていくという悪循環に陥っている。その結果抑うつやうつ病などの精神障害を引き起こす。
さらに胃潰瘍などの身体疾患を引き起こす。
その不満に耐えきれなくなったとき、突然感情の大爆発を引き起こす人もいる。
このような悪循環の連鎖が次から次へとひき起こされている。

人の思惑が気になる人の注意や意識は、常に気になる相手の言動に向けられている。
仕事や勉強、日常生活のほうに向いて行かなくなり、それが常態化しているのである。
自分の素直な気持ちや、純な心を見つめる機会などはほとんどなくなっている。
観念的になり、初二念や初三念に振り回されている。


効果があるのは、素直な自分の感情や自分の気持ち、意志を見つめ直すことである。
相手が理不尽な言動をとったから、それに対して私がどう対応する、と言うような対症療法では解決できない。最初に感じた感情をよく見つめてみる。
自分はどう感じたのか。自分はどういう気持ちなのか。自分はどうしたいのか、という視点から出発するのである。相手の言動に対してすぐに対応するのではないということだ。
自分の素直な感情や気持、身体感覚、意志を確認するということだ。
森田理論では、この事を「純な心」から出発するという。あるいは事実から出発するという。


その際、「私メッセージ」の手法を用いて、私の想いを吐き出していくことだ。
これは相手を対立相手と見ているのではないので、言い争いにはならない。
相手の言動に対して、「私はこのように感じました」「私は今、こんな気持ちです」「私はあなたが○○してくれたら嬉しいです」 「私は〇〇したいです」というような対応をすることになります。
相手に自分の態度を見て、以心伝心で自分の気持ちをわかってもらいたいと思っても、それは無理があります。そのような態度は対立的になり、相手から見ると傲慢に見えるのではないでしょうか。
もし口に出して相手に伝えることができないとしても、その時の自分の気持ちを日記などに書いて吐き出すことが大切です。





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Last updated  2018.12.31 06:30:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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