森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.03.07
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2019年2月号の「生活の発見」誌に市川光洋先生の興味深い記事があった。
これによると高良興生院で、退院する患者さんに「入院中に何が変わりましたか」という質問に対して、3つの答えがあった。

1、症状がよくなりました。
2、症状があっても行動できるようになりました。
3、なんだか知らないが心境が変わって治りました。

その後追跡調査をしたところ、一番よく治っていたのは3番目の人だったという。

私が思うには3番目の人は人生観が変わったから治っていったのだと思う。
1番目の人は、入院して言われる通りにしていたら、入院前の不安や恐怖はだいぶ楽になりましたと言っているのだ。これでは薬物療法や不安を取り除く精神療法と何ら変わりはない。
喜んで退院してもすぐに再発する。また生きづらさは依然として継続する。


2番目ですが、ほとんどの人はこの段階を森田療法の最終地点と勘違いしている。
精神交互作用を打破して、生の欲望にのっとった生活が定着してくると、神経症は確かに治る。
しかしそこで満足してしまっては、生きづらさは解消できない。これは第一段階の関門を通過したという治り方であって、ここで森田から離れては実にもったいないのである。
この段階は神経症を克服するための必要条件ではあるが、十分条件ではないのである。

それでは3番目の人生観が変わるとはどういうことか。
それは今まで不条理で観念的な「かくあるべし」を、自分や他人に押し付けていた態度の誤りに気が付いて、あらゆる事実を認めて受け入れるという態度の必要性が理解できて、実践できるようになることである。観念で考えたことを絶対視しなくなり、事実、現状、現実にしっかりと根を張った生き方ができるようになった人である。それを「事実本位」の生き方を身に着けた人と呼ぶ。

そのためには、事実には4つの事実があるが、その4つの事実の洞察を深める。
これについて知りたい方は、検索して過去の投稿記事をご参照ください。
次にどこまでも事実をよく観察していく態度を身に着ける。
口にするときは、事実に沿ってできるだけ赤裸々に具体的に話す。
抽象的な話し方を改善していく。

「純な心」を理解して、いつも素直な気持ちで対応する。
自己主張するにあたっては「私メッセージ」応用する。
それぞれに難しい面はあるが、その方向を目指していくことが大切である。
幸い集談会という学習の場かあるのだから、みんなで目指してゆきたい。
これらは「事実本位」の生活を心がけて、観念は参考程度に活用するということだ。





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Last updated  2019.03.07 06:49:32
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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