森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.03.11
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カテゴリ: 神経症の成り立ち
2月号の生活の発見誌よりの引用です。

対人恐怖にとらわれてしまったら、いきなり一般社会で人間関係を常にうまくやろうとする試みを、ちょっと棚上げしてほしい。
普段の対人関係の改善を、焦ってしまうと、たいてい失敗し、さらに「自分はなんとだめな人間」と、劣等感を強める結果を招く。
また、仲間が集う集談会などに参会し、わずかでも自己防衛のヨロイを外していられる居場所を確保することも大切。

これは、神経症で苦しんでいる人は、一刻も早く心の苦しみを取り去って楽になりたいという気持ちが強いということです。
しかし、対人恐怖症のような強迫神経症は、気になる不安を取り去ろうとして性急になればなるほど、蟻地獄の底に落ちてしまうようなことになります。
森田理論学習で、対人恐怖症の成り立ちがわかったからといっても、たちまち改善できるわけではありません。不安神経症の場合、短期間のうちに神経症を克服するというケースはありますが、強迫神経症の場合は、時間をかけて玉ねぎの薄皮を剥いでいくような態度でいることが必要です。

対人関係のことで頭の中で考えることが100%占められていた状態から、 90% 、 80% ・ ・ ・という風に、時間をかけて注意や意識が遠のいていくようになるのです。
たとえ10%でも改善が図られれば、それだけで生きる勇気が湧いてきます。

私も対人恐怖症で、苦しみましたが20年ぐらいで急に楽になった経験を持っています。

対人恐怖症があるということは、自分にとっては人生の中で克服すべき課題を、常に持っているというふうにも考えることができます。
それが一挙に解決してしまうと、その時点で、取り組むべき課題がなくなってしまいます。
目標や課題、ストレスが全くない人生ほどつまらないものはありません。
対人恐怖症の成り立ちや問題点を試行錯誤しながら、「自分はどう生きるべきなのか、人生とは何なのか」を深く洞察するきっかけにしたいものです。
そのようなことを思索することは、人生の醍醐味ともいえるものです。
対人恐怖症の真っ只中はとても苦しいものですが、それを乗り越えていった人は晩年になると、 「神経症になってよかった。人間に生まれてきてよかった」と、自分の人生をいとおしむことができるようになるのです。「雨降って地固まる」という格言がありますが、まさにその通りです。

これは一人で実行することはとても難しいかもしれません。
しかし私たちには、仲間で助け合って乗り越えていくという自助組織を持っています。
集談会に参加しながら、お互いに刺激を与え合いながら、対人恐怖症と末永くつきあっていきたいものです。

対人恐怖症で苦しんだ経験があると、今まさに対人恐怖症で苦しんでいる人の気持ちは手に取るようにわかります。そして、何とかしてその人に克服してもらいたいと思うようになります。

こんな気持ちになるのも、自分が長らく対人恐怖症で苦しんでいた経験があるからこそです。
こうしてみると、自分の人生の中で心ならずも出会った苦しいこと、辛いことすべてに大きな意味があったということだと思います。





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Last updated  2019.03.11 06:30:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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