森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.06.04
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​​樹木希林さんの「一切なりゆき」いう本がある。
この本は樹木さんの、語録を集めた本である。文藝春秋から出版されている。
昨年12月20日発売されてすでに100万部を超えている。
この本には森田療法理論に通じるところがたくさんあった。

この本の中に「われわれは、互いが互いにとって堤婆達多(だいばだつた)なんです」という話がある。
堤婆達多は、お釈迦様の従兄弟で、最初は同じ教団内で活躍していたものの、やがて反逆し、お釈迦様を殺害しようとまでした人物です。

しかしお釈迦様は、堤婆達多がいたからこそ、見えてきたものがあるとおっしゃっています。
自分にとって不都合なもの、邪魔になる物を全て悪としてしまったら、病気を悪と決めつけるのと同じで、そこに何も生まれてこなくなる。


つまり私は夫という堤婆達多がいたからこそ、今、こうして穏やかに生きていられるのかもしれません。
皆様もご存じの通り、夫は、俺の神はロックだと言うような人で思い込んだら一筋。
そのため、何かと騒ぎを起こしてきました。

肋骨が折れるほどの大喧嘩をした日さえありました。
よくもまあ、あれほど激しくやり合えたものですが、自分の中にも、何かどうにもならない混沌とした部分があって、それが、内田さんという常にカッカしている人とぶつかり合うことで浄化される。
そういう部分もあったのではないかと、今は思うのです。
誰もが自分にとっての堤婆達多を持っているし、それと同時に、自分も誰かにとっての堤婆達多になりうる。われわれは、違いは互いにとっての堤婆達多なんです。
だから、人に何を言われても別れないんでしょうね。
(「全身がん、自分を使い切って死にたい」 2014年5月)​​

夫の内田裕也さんは、皆さんご存知のようにとても破天荒な人です。
別居しながらも生涯夫婦として生きてこられたのは、お互いに言いたいことをいうという自己主張をつらぬいてこられたからだと思います。二人とも、不平や不満を無理に押さえつけないで、ストレートに相手にぶつけ合うという態度であったのだろうと思います。
でもこれだけだと、すぐに性格不一致で離婚してしまいます。
離婚に至らなかったのは、樹木希林さんの方に、どんなに激しく論争をしても、心の底では和解を目指す気持ちを持ち合せておられたということだと思います。
和解や調和を目指すという気持ちが、引用した文章によく現れていると思います。

その能力は森田理論の「かくあるべし」を減らして、事実本位の生活に立脚することで獲得できるものと考えています。





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Last updated  2019.06.04 06:30:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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