森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.06.17
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カテゴリ: 行動のポイント
野球評論家の落合博満さんは「慣れ」について次のように言われている。
野球のシーズンが終わると、2月のキャンプインまで4か月ぐらいある。
その間は主に体のメンテナンスをする。ピッチャーと直接勝負することはない。
またシーズン中と同じような140キロのボールに向き合うことはない。
するとどんなことが起きるか。
たった4ヶ月離れただけなのにバッターボックスに立つことが怖くなる。恐怖心が出てくるのだ。
その恐怖心をなくするためには、バッティングマシンなどで徐々に慣らしていかないといけない。
そうしないとバッティングフォームが崩れてしまう。

またこんなことも言われている。

正しく理に適った練習を、頭を使って繰り返す。
頭を使い、身体に覚えさせるという練習を人の3倍も4倍もやって、ようやく現場に慣れていく。
(コーチング 落合博満 ダイヤモンド社 190ページから192ページより引用)

落合さんの言われている「慣れる」ということは、私たちにも参考になると思う。
私たちが神経症に陥ったとき、目の前の日常茶飯事や仕事に注意をむけて真剣に取り組んでいるとはいいがたい。神経症の苦しさに耐えきれず、なんとかこの苦しみから逃れたいと悪戦苦闘している。
森田理論を学習すると、そんなやり方だと、精神交互作用で神経症はどんどん悪化して、最後には固着してしまうことが分かる。
観念上の悪循環、行動上の悪循環がますます自分を苦しめていくのだ。

そのようなスパイラルに陥らないためには、症状には手を付けないで、日常生活や仕事のほうに目を向けていくことだ。神経症という苦しみを持ったまま、規則正しい生活を続けていくことだ。
そんな生活に「慣れていく」ことがとても大事なのだ。

普通はそんなことでこの苦しみが解消するわけがないと考える人が多い。
しかしこれも観念で考えて予想していることなのだ。


だが同じ時間に同じ行動をするということに取り組んでみると事態は急展開する。
苦しみはあっても、生活が流れ始める。
そうすると、頭の中に澱のように張り付いていた苦しみが少しずつ取れていくのだ。
これは一度でも経験した人は、実感として分かるのではないかと思う。
決まった時間に決まったことをするという習慣作りに愚直に取り組むことは、神経症の改善に役立つのだ。この段階を通過すると、アリ地獄から地上にはい出したことになる。


いいところまで来ているので、悲観して、元の木阿弥に陥ることは避けたいものだ。
肝心なことは、この段階を経ないと次の段階には進むことができないということなのだ。
この段階をクリアした人が、良好な対人関係作り、生きづらさの解消へと舵を切っていくことができるのだということをしっかりと認識していただきたいと思う。

森田理論の中には、次の段階として、それらの解消法もきちんと用意されていることを付け加えておきたい。ステップアップして取り組めば、神経質性格者としての素晴らしい人生観を手にすることができる。
これはいくらお金を積んでも買うことはできない。
でも森田理論を学習して、実践すれば比較的簡単に手に入れることができるのだ。
悔いのない人生を全うしたい人は、ぜひともそこまで振み込んで、ぜひ自分のものにしていただきたいと思う。そのための応援はできるだけさせていただきたいと思う。





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Last updated  2019.06.17 06:30:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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