森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.06.22
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啓心会を始められた水谷啓二先生は、熊本の第5高等学校在学中に神経症で苦しんでおられた。
適当な療法を求めて上京し、森田先生の診断を受けられた。
強迫神経症であると診断された。
そこで休学して、強迫神経症の苦しみを治してもらってから、学校に戻りたいと伝えた。
森田先生は「苦しくても復学しなさい」と言って、入院の許可は出されなかった。
仕方なく復学して、翌年にどうにか卒業することができた。

再び森田先生にお目にかかり、「森田療法によって強迫観念を治していただいてから、来年東京帝大を受験することにしたい」とお願いした。
すると先生は、「それがいけない。ことし試験を受け給え、もし受けないなら、入院は断る」といわれた。水谷氏はやむを得ず受験の手続きをして、20日ばかりやけくその勉強をして試験に臨んだ。
もちろん合格するはずはないとないと思っていた。

(生活の発見誌2019年5月号より要旨引用)

普通は強い神経症で苦しんでいるときは、仕事や勉強や家事が手につかないないわけです。
そんな時はすぐに入院し、治療に専念して早く治してもらいたいと思うものです。
そうしないと神経症はどんどん悪化してしまうと考えがちです。
入院を許可しないとは、なんと無慈悲な医者だろうと思ってしまいます。

森田先生は、どんなに神経症で苦しくても、自分の本分を全うしなさいといわれているのです。
神経症でどんなに苦しくても、学校を休んだり退学してはいけない。
勉強を中断したり、受験を取りやめるようなことではいけない。
また仕事をさぼる。安易に仕事を休んだり退職してはいけない。
神経症で苦しくても家事をすべて放り投げてはいけない。
などといわれているのだと思います。


しかし、その後は精神交互作用が働き、どんどんと症状は悪化していきます。
ではその他にどんなよい方法があるのか。
森田では、神経症の不安や苦しみは持ち堪えたままにして生活することを勧めています。
不安と格闘することを一時棚上げにするとよいのです。
そして目の前のなすべきことに目を向けてボツボツとこなしていくのです。


不安と欲望はコインの裏と表の関係にあります。
神経症の葛藤や苦悩は、生の欲望を無視して、不安の方ばかりにエネルギーを投入した結果として発生したものととらえているのです。
不安の裏側には、欲望があるという認識を持って、第一優先順位として、「生の欲望の発揮」にエネルギーを投入するようになると神経症は治っていくものなのです。
このことを森田理論学習で理解し、実行すればアリ地獄から地上に這い出ることができるのです。





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Last updated  2019.06.22 06:30:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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