森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.10.10
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カテゴリ: 森田番外編
林成之さんは、人間の最大の3つの本能について説明されている。
「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」ということである。

「生きたい」は、一旦この世に生まれたものは、できるだけ長く生きたいという欲望を持っている。衣食住、安全を確保したい。
危険はできるだけ回避したい。自由を獲得したい。よりよく生きたい。
できれば夢や希望を実現したい。生の欲望の塊ということですね。

「知りたい」は、疑問点、問題点、未知のことは、その原因やからくりを理解したい。
人間は、赤ちゃんのころから、好奇心が強く、知識欲が旺盛なのである。
それが文化や文明を大きく花開かせたのでしょう。

「仲間になりたい」は、家族、仲間、学校、会社、社会集団に所属して、仲間と楽しく、親しく交流して生活をしたい。人間は孤独や孤立を恐れる生き物なのだ。


林さんは、これ以外に第2段階の2つの本能について説明されている。
これがとても面白い。「自己保存」と「統一・一貫性」というものです。

「自己保存」というのは、脳は自分を守ろうとする。
自然や他人の脅威から自分の身を守ろうとする。
これが強く出ると、自己中心的になる。自然を人間の都合に合わせてコントロールしようとする。
他人と利害が対立すると、他人を蹴落としてでも勝とうとする。
一旦自分のものにした所有物を何が何でも守ろうとする。
一旦獲得した地位や名誉などに固執してしまう。
安定した生活を獲得してしまうと、それを失うことを恐れるようになる。
変化を嫌い、現状維持にエネルギーの大半を注ぐことになる。

「統一・一貫性」というのは、誰でも自分が身につけた「先入観」「かくあるべし」「信条」「信念」「持論」「スタイル」「宗教」「価値基準」にことさら固執してしまうことだ。

例えば、人間は、自分と反対の意見を言う人を嫌いになります。
冷静に考えれば、意見が違ったからといって、その人のことまで嫌いになる理由はないはずです。
ところが脳は自らの意見と異なるものを「統一・一貫性」にはずれるために拒否し、また「自己保存」が働くことによって自分を守ろうとするため、相手の意見を論破しようとすることがあるのです。
(脳に悪い7つの習慣 林成之 幻冬舎新書参照)

これらは人間が持って生まれた本能ですからどうすることもできません。

マイナス面が露骨に表面化すると、自分の心身を傷つけ、他人と摩擦を抱える原因となります。

人間には森田理論で学習したように、ある考えや欲望が浮かぶと、それを制御したり、ブレーキをかける考えも同時に湧き上がってくるようになっています。
私たちの心がけることは、生の欲望に沿って興味や関心のあることにはどんどん挑戦していく。
ただし、行き過ぎには十分に注意する必要があります。
元々備わっている「精神拮抗作用」活用して、バランスのとれた生き方を目指していく必要があるようです。





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Last updated  2019.10.10 06:41:00
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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