森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.12.31
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今日は事実を見る場合の4つの視点の話をしてみたい。

1、事実にはまず様々な感情が自然発生的に湧き上がってくるというものがある。
不安、恐怖、違和感、不快感などである。
その他にも嫉妬、悲観することなどもある。
億劫だ、やる気が湧かない、気が重いなどという気持ちになることもある。
神経症に陥ると、不快な感情をことさら問題視して、それらを取り除いたり、逃げ回っています。
あるいは気分本位が独り歩きして、人に依存して何もしないということも起こります。
森田理論では、このやり方では精神交互作用が起きて、症状はますます悪化するといわれています。
この方面の事実の学習はみなさんとても詳しくなっておられるのではないでしょうか。

もっと視点を広げて考えてみる必要がありそうです。

私が指摘したい事実について説明していきます。
2、人それぞれ自分に与えられた素質、容姿、性格、能力、境遇などがあります。
また自分が行動した結果として、ミスや失敗を引き起こしてしまうこともあります。
人様に迷惑や損害を与えてしまうこともあります。
これらの事実や現状に対して、どう対応しているでしょうか。
人と比較してもよいと思いますが、事実を正しく認識して、事実を出発点にして対応しているでしょうか。それとも優越感や劣等感に陥り、自己顕示欲や自己否定の原因を作っていることはないでしょうか。

3、次に他人を見た場合、人それぞれに与えられた素質、容姿、性格、能力、境遇などがあります。
また他人が行動した結果として、ミスや失敗を引き起こしてしまうこともあります。
他人が理不尽なことを私たちに押し付けてくるような場合もあります。
自分に対して取り返しのつかない迷惑や損害を与えてくることもあります。

それとも「かくあるべし」を持ちだして、他人の存在、素質、容姿、性格、能力、境遇などを否定してしまうことはないでしょうか。
他人の犯したミスや失敗に対しては、寛大な目で許してあげているでしょうか。
むしろ法外な要求を押し付けて過大な責任をとらせようとすることはないでしょうか。

4、最後に、地震や風水害などの自然災害、伝染病や食中毒、金融危機、経済変動、紛争などに見舞われることは日常茶飯事です。これらの事態に対しては、可能な限り日ごろから十分な対策を立てておくことが必要です。にもかかわらず、突然に私たちに襲い掛かってくるものばかりです。
理不尽で納得できないことばかりです。

我々凡事にはとてもそんな気持ちにはなれません。
でもこういう理不尽な出来事に遭遇する可能性が非常に高い中で、生活していることを忘れてはならないと思います。

以上4つの事実について述べてきました。
神経症の蟻地獄に陥っているときは、感情の事実に振り回されていることと思います。
しかし事実全般を取り扱おうとすると、他の3つにも広げて考える必要があると思います。
4つの事実に対して、適切な対応がとれるようになれば、生き方が変わってくるものと思います。
事実のアウトラインが分かるだけでも、明るい光が見えてくるように思います。
感情の事実だけでなく他の3つの事実に対しても、「あるがまま」の対応ができるようになると、楽な生き方に変わっていきます。





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Last updated  2024.05.31 20:40:06
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Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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