森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.09
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カテゴリ: 行動のポイント
​​​森田の学習の中に、「外相ととのえば内相自ずから熟す」という言葉があります。
私がこの言葉を聞いてすぐに思いだすことがあります。
​「靴がそろえば、心がそろう」​ という言葉です。
集談会に参加していた女性から聞きました。とても分かりやすいと思いました。

目の前のなすべきことにイヤイヤでも取り組んでいくと、神経症的な悩みや葛藤は少なくなるということです。森田を学習する前は、心の問題なのに、どうしてそこにメスを入れないのか。
全然関係のないようなことを押し付けて、自分の悩みを聞いてくれない。
腹が立つという人もいました。
それで集談会には参加しないという人も数えきれないくらいいました。
実は、私がそうだったのです。

でも他に行くところもなく、仕方なしに参加していたのです。

そのうちその意味がよく分かりました。
神経症は直接症状に切りこんでいっても治らない。
治らないどころか、ますます悪化していく。
神経症を治すためには、「急がば回れ」ではないのですが、回り道を選択したほうが目的に近づくということだったのです。そのための具体的な方法が「凡事徹底」だったのです。
日常茶飯事、仕事などに丁寧に取り組むということだったのです。

するといろんなメリットが出てきます。
一番のメリットは、症状に固定していた感情が流れ出すということだと思います。
鴨長明の方丈記に、「流れに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて留まるためしなし」とありますが、症状を克服するためには、感情を動かし、速やかに流すという事が欠かせないのだということがよく分かりました。治った人はすべてこの関所を通過しているのです。
そして実践行動面に比重が移ってくるにしたがって弾みがついてくる。
生活内容が好転するころには、神経症はあるにはあるが、生活に支障はない。

神経症があったおかげで、森田理論学習に出合えた。
人生をより深く考えるようになった。神経症に悩んだことは幸運だった。
などと心の底から思えるようになるのです。

外相を整えるという点では、もう一つ重要な視点があります。
外相をととのえる実践行動には、必ず ​目的がある​
例えば、食べるという行動は、エネルギーを補給して、命をつないでいくという目的があります。
仕事をするという行動は、収入を得て、必要な生活物資を調達して、日常生活を維持していくという目的があります。目的が存在することで、モチュベーションが上がってくるのです。

これと反対の生活態度は「気分本位」です。
気分本位の行動には目的はありません。
目の前に現れてくる出来事や刺激に対して、本能で反射的に反応しているだけのものです。
目的がないので、湧き上がってくる感情や本能、欲望のおもむくままに行動してしまうのです。
この行動は、苦を避けて楽を追い求め、刹那的快楽、一時しのぎ、気休め、怠惰な生活に振り回されるようになります。一時的には楽で楽しいかもしれませんが、最後にはやるせなさ、あじけなさ、むなしさだけが残ります。

ですから外相を整えるためには、 その時その場の必要に応じて、つまり生活を豊かにし、前進させる という目的の基に取り組むことが大切となります。
そのような目的がない行動はほとんど意味をなしません。
症状を治すための行動は、本来の目的から外れているので、症状を治すという目的はいつまで経っても達成できません。むしろ悪化の一途をたどってしまうのです。​​
以上行動実践のための参考にしてください。​





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Last updated  2020.03.10 20:07:52
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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