森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.17
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カテゴリ: 行動のポイント
「自己嫌悪、自己否定する自分を責めてはいけない」などと、自分に別の「かくあるべし」を押し付けている人はいませんか。

このやり方では、自己嫌悪、自己否定はなくなりません。
その理由は、「自分を責めてはならない」ということが、新たな「かくあるべし」になるからです。問題のある考え方を、別の合理性を持った考え方で納得させようとすると、事態が収束するどころかますます悪化してきます。
これは、「不安と格闘してはならない」「生の欲望を発揮しなければならない」というのも同じことです。これらは森田の核心部分ですが、これが「かくあるべし」になってはまずいのです。
「・・・しなければならない」「・・・してはならない」などで言い表されるものは、いくらまともな考え方でも、「かくあるべし」から出発しているので、楽にはならないのです。
むしろ、取り組めば取り組むほど苦しくなるものなのです。

それでは自己嫌悪、自己否定は解消できないではないですかという声が聞こえてきそうです。
もっともなことです。結論から言えば、解消することは可能です。
ただし、別の方法で取り組むことによって可能となります。


まずそれを観念の世界でこねくり回すことをやめることです。
つぎに観念中心の世界から抜けだして、身体を使う行動へとチェンジしていくことです。
目の前の日常茶飯事、仕事、家事、育児、介護、運動、趣味、社会活動、課題や夢などに取り組んでいくことです。なんだそんなことかと思われるかもしれません。
拍子抜けされるかもしれません。
でもこういう切り替えができれば、その瞬間は「自己嫌悪、自己否定」のことを、頭の中でこねくり回さなくて済みます。

考えてみてください。
カラオケの好きな人が、カラオケを楽しんでいるとき自己否定していますか。
料理が好きな人が、新作料理に真剣に取り組んでいるときに、自己嫌悪感が出てきますか。
釣りが好きな人が、夢中で魚釣りを楽しんでいるときに、自己否定感がありますか。

自分の興味や関心のあることに取り組んでいると、時間がたつのを忘れています。
精神が緊張状態にあり、いきいきしています。

そこから意欲ややる気が高まり好循環が生まれてきます。
失敗すれば、つぎにうまくいくように工夫や改善をします。
達成や成功の経験をすれば、それが大きな自信になります。
さらに弾みがついて、新たな目標も見えてきます。

生活の中で、小さな楽しみのかけらをいくつも見つけることができるようになると、「自己嫌悪、自己否定」のことは忘れていたという時間が増えてくると思います。

自分の存在を受け入れられるようになっているのです。

自己否定はたまには出てくるが、特段生活には支障がなくなります。
そんなことを考える時間がなくなったということになります。
「自己嫌悪、自己否定」で頭の中がいっぱいという人は、今一度「凡事徹底」の生活になっているのかどうか振り返ってみる必要がありそうです。
人間は、「閑居して不善をなす」といわれますが、まさにこのことです。





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Last updated  2020.03.17 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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