森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.04.03
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カテゴリ: 行動のポイント
形外会で早川さんが、「暗い夜の道の方が、昼間歩くより疲れないのはどうしてでしょうか」と森田先生に聞いた。

森田先生曰く。夜の道はただ下ばかり見て、一心に歩くよりほかに、何の迷いもない。
「現在になりきる」ことが多いからである。
「現在になりきる」とは、気のないままに、現在の仕事なり読書なりに、ぶつかって、その境遇に服従して、ただボツボツやっていさえすれば、必ずいつとはなしに「前に謀らず、後に慮らず」という心境が現れてくるのであります。最も簡単に言えば、何でもよい。
その現在の境遇から逃げる考えを起こしさえしなければ、よいのであります。

「現在になる」とは、息が切れれば静かに歩き、上を見れば、また歩く気になり、山下を眺めれば、またその景色に眺め入るという風に、その時々の周囲の状況に応じて、心の動くことである。
周囲に対して、何の感じも連想も起こさず、強いて自分の意見を頑張るのが、思想の矛盾であるのであります。(森田全集 第5巻 141ページより要旨引用)

森田では、「なりきる」という言葉がよく出てくる。この意味は2つある。
一つは、不安、恐怖、違和感、不快感などに対して、やりくりをしない。

つまり不安などと一体化するということです。
イヤな感情の事実に対して、闘うことをしないので、葛藤や苦悩は発生しません。
森田でいう「事実本位」の生活態度のことです。

もう一つは、「現在になりきる」ということです。
目の前の手掛けていることに一心不乱になって取り組んでいる状態のことです。
お使い根性で取り組むのではなく、主体的にかかわっていくということです。

森田先生は体調が悪いのに、富士山や筑波山に登られた。
元気のよい人には先に行ってもらい、自分は一歩一歩と上を向いて上り、下は見ないといわれている。上りながら、その時の心と力とのベストを実行している。
これを大きく言えば、我々は人生の欲望に対して、常に念がけ、あこがれながら、その目的を見失わず、その現在の力の及ぶ限りのベストを尽くしている。

「現在になりきる」とどんなことが起きるのか。
感情が発生して動いてくる。小川を流れる水のように感情が流れ始めるのである。

関心や興味、気づきや発見がでてくる。
工夫やアイデアが生まれ、意欲的になる。
次第に精神が緊張状態に転換してくる。

森田理論は感情の理論だという人もいる。
感情が一点に留まるのではなく、常に流動変化の波の中に身を任せることができるようになる。

自然に逆らうよりも、自然に調和した生き方のほうが無理がないのです。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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