森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.04.04
XML
不安神経症の人は、特急電車内などの逃げられない場所にいるとパニックを起こす。
顔が青ざめ、脂汗が吹きだし、心臓が今にも止まって死んでしまうのではないかという恐怖に取りつかれる。その体験が予期恐怖になり、特急電車や急行電車などには乗れなくなる。

緊急搬送されると、心臓の画像診断、血液検査などが行われて、身体的な異常がないか調べられる。不安神経症の人は器質的な病気ではないので、大丈夫ですよと太鼓判を押される。
これは心臓の専門家が判定していることだから、信頼性が高い。
ところが、不安神経症の人はその診断は間違いではないかと疑う。
そして別の医者の診断を仰ぐ。ドクターショッピングを繰り返す。
どこの病院に行っても異常ないといわれるのに、いつまでも納得しない。
普通の人は、心臓の専門家が下した診断を信じる。
ひと安心して、そのことはいつの間にか忘れてしまう。

昔の頑固おやじのようなものだ。

客観的な事実に対して主観的事実というものもある。
自分はいつか突然死するかもしれないという恐怖に陥っている。
自分が突然この世からいなくなってしまうと考えると、いても立ってもいられなくなる。
そういう不安や恐怖が予期不安となって、苦しくてどうしようもない。
何とかこの不安、恐怖、違和感、不快感を取り去りたいと考えるようになる。
精神科医の診察を受ける。抗不安薬、SSRI、睡眠薬などの薬を処方してもらう。
それでも楽にならない。どんどん悪化して生活に支障をきたすようになる。

この場合は、感情の事実、つまり主観的な事実を受け入れることができないのだ。
不安や恐怖を人為の力でねじ伏せようとしている。
そのことが可能であると信じて疑わないのだ。


どちらの事実とも対立関係にあるのです。
そしてなんとか排除しようとしている。涙ぐましい努力を続けている。
しかし容易に排除できないので、葛藤や苦悩でのたうち回っているのです。

森田では「事実唯真」という立場をとっています。
事実本位の生活態度を身に着けることを、大きな目標として掲げています。


一つは医者の診断を認めることです。
1人の医師の診断で不安なら、3人ぐらいの医師の診断を持って受けいれるようにする。
もう一つは、不安や恐怖の感情の事実を受け入れることです。
森田理論学習で、神経症の成り立ち、感情の法則、不安の役割、不安と欲望の関係、神経質性格の特徴、「かくあるべし」の弊害などを学ぶことです。
一人で学習するのではなく、仲間と一緒に学ぶことが有効です。
これらの理解がないと、いつまでも不安や恐怖の感情を受け入れる方向には向かわないと思います。森田の考え方は、きちんと理論化されていますので、集談会で学ぶことをお勧めします。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.06.04 09:38:18
コメント(0) | コメントを書く
[治るとはどうゆうことか] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: