森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.04.20
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森田先生は人力車から落ちたことが三度あったといわれている。
一度もケガをされたことはない。その理由を説明されている。
それは不安定の姿勢、休めの姿勢をとっているからだといわれている。
休めの姿勢というのは、片足で全身の重さを支えて、他の方は足を浮かせて、つま先を軽く地につけている状態のことだ。
この状態を保っていると、つま先に鋭敏に身体の動揺を感じることができ、すぐに周囲の変化に迅速に適切に対応できるそうだ。(森田全集第5巻 197ページ)

これを心がければ、電車の中が込んでいて手すりを掴むことができないとき、電車が揺れたときにとっさの行動ができる。人の足を踏みつけたり、倒れることも起きない。
大体そういうときは、もし揺れたときはどうしょうかという心づもりはしていると思う。
そのような心づもりのない人がとんでもないリアクションをみせることがある。

株式投資をしている人の場合も同じだ。

自分の予測と外れた場合に、すぐにロスカットをしないと塩漬け株を作ってしまう。
これが株式投資の世界では常識となっている。

休めの姿勢、不安定の姿勢の説明で森田先生の言いたいことはなんだろうか。
それは万が一の変化を予想して、日頃からその対策を立てて、いざというときに素早く適切な対応でできるように心がけて生活しなさいということではなかろうか。
変化を先取りするような生活態度を維持していくことが大切なのだと教えてくださっている。

そう考えると、東海、東南海地震が発生する確率が高まっていると聞くことが多くなった。
これを予想して、いまから準備することは何か。
家具の固定、建物の耐震化、避難場所の確認、避難訓練への参加、ヘルメット、懐中電灯、ラジオ、非常食、飲料水の備蓄、簡易トイレの用意など最低限怠りなく行っておく必要がある。
津波を想定した準備が必要な場合もある。
そのような準備がなく、突然大地震が襲ってきたらどうなるか。
右往左往することは目に見えている。下手をすると命を落とすことになる。


それは精神を緊張状態においておくことの大切さである。
このことを森田では「無所住心」という。
昆虫が触覚をピリピリと緊張させて、忙しく動きまわっているようなイメージである。
そうすると、様々なことによく気づくようになる。
感情が活性化してどんどん流れていくようになる。

弾みがついてますます意欲的になる。
そういう状態は、注意や意識が一点に集中することがない。
一時的にとらわれても、どうにもならないことはそのまま流して、次のことにとらわれていく。
諸行無常に世界に入ることができる。神経症とは縁のない世界である。
つまり変化を先取りする気持ちを持っていると、気が張って、その瞬間瞬間を大切に生きているということなのだ。課題や目標を意識しているので、生きがいを持てることが大きい。

そのためには、毎日の日常茶飯事に手を抜くことなく、丁寧に取り組むことが肝心である。
人に依存することは極力避けて、自分のできることは毎日自分で取り組む。
日常生活にものそのものになって取り組むことができるようになると、緊張感に満ちた森田的生活ができるようになる。変化を予測して対応する態度を身につけたとき、その人の人生は大きく花開いていく。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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