森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.04.27
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球辞苑という番組で「選球眼」を取り上げていた。
この内容は、森田理論の「変化に素早く対応する」というテーマにピッタリと合っていた。

これによると、ピッチャーが145キロのスピードで投げたボールが、キャッチャミットに収まるまでの時間は0.46秒であるという。
その間にバッターはボールを見極めてスイングする。
スイング時間はどんなに速い選手でも0.16秒かかる。
目で見て打つか打たないかを判断するのに0.17秒要する。
残りの余裕は0.13秒しかない。

これが何を意味しているかというと、人間に備わった動体視力では、ボールの動きや変化は見えていないことだ。見ようとすればするほど見えない。
「じっくりボールを見て打て」と言われても、不可能に挑むことになる。


どうしてプロのバッターは150キロのストレートや変化球を打ち返しているのか。
実は、バッターはあらかじめピッチャが投げる球を予測して待っているのだという。
相手ピッチャの持ち球は、対戦する前にデーターとして詳細に調べ上げている。
そして配球パーターンもキッチャーのリードの傾向も事前にある程度分かっている。
バッターは、それぞれのピッチャーに対して、リリースの前から打つか打たないかは決めている。球種や軌道を予測しているという。予想通りの球だと察知したときに打ちに行く。
目線はボールが来るところに置いて、予測したイメージのところでボールを待っているのだそうだ。変化に瞬時に対応できないときは、そういう仮説をたてて待つことしかできないという。

心理的イメージと物理的イメージが一致したときにヒットが生まれる確率が高まる。
決してピッチャーがリリースしたボールを追っているのではないという。
目付をピッチャーやボールから離して、チャンスボールを待つというイメージだそうだ。
自分が予測したところにボールが来たとき、自然に体が反応して勝手に動いているという。
打ちやすいところや狙っているところにボールが来て、無理なくスィングをしている。


巨人の丸選手が次のような発言をしていた。
練習で狙い球を確実に打ち返す技術を身に着けることは大事だ。
そのためにはスイングスピードをつけるなどの猛練習を重ねる必要がある。
次には、目付が大事になる。変化をあらかじめどのように予測するかということである。
例えば、鋭いスライダーを投げる投手の場合、スライダーが真ん中に来るとボールになる。

スライダーが自分に当たるのではないかと思えるようなボールがストライクになる。本来ならデットボールを恐れて、のけぞるようなボールを積極的に打ちにいかないといけない。

予想は7割近く外れる。でも自分の予測したボールしか追わない。
予想していないボールは我慢して見送ります。
バットを振らなければドラマは生まれないなどというのは、甘い幻想です。
逆に、どんなボールでも手を出していると、自分の予測したボールが来たとき、打ち損じが起きる。基本は自分の狙った真ん中付近にきた甘い球を打つしかないのです。
ですから予想した変化が起きないと、手を出すことはできないのです。
四隅にきたきわどい球がストライクと判定すると、三振になります。
それはそのまま受け入れて、次で勝負するしかないのです。
どんな球でも手を出して追うようになると、真ん中付近の球も打ち損じるようになります。

予想通りのボールが来たときは、積極的に打ちにいきます。
ところが、ボールになると分かるときがあります。
その時の対応として、バットを止める技術が必要になります。
打ちにいくときに手首の返らない、バットの出し方があります。
グリップが相手ピッチャーに向いているようなバットの出し方をすると、手首が返りにくい。

私が森田で学んだのは、目の前の出来事をよく見て、その変化に合わせて動きなさいということでした。変化が先で、その後で自分がどう行動するかという順序だったのです。
プロ野球の世界では、変化を見極めること自体が難しい。
そういうやり方では決してうまくはいかないということです。
そういう場合は変化を予測して、予測したところで変化が起きるのを待ち伏せすることしかできない。変化を先取りするということです。
そのためには事前に情報を集めて、こういう変化が起きると、こうなるというシュミレーションを繰り返す必要がある。仮説を立てて取り組むことです。
仮説だから、外れることは多々発生する。それを潔く受け入れる態度が欠かせない。
野球の場合は7回失敗しても、3回成功すれば一流プレイヤーだ。
失敗から何かをつかんで、次に生かすという姿勢が大事になる。
一番ダメなのは、せっかく立てた仮説がうまくいかないからと、すぐに放り出してしまうことだ。
いったん立てた仮説は、放り投げるのではなく、精度を高めていく方向に向かわないとまずい。





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Last updated  2024.06.03 09:26:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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