森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.05.25
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カテゴリ: 行動のポイント
森田先生のお話です。

全く無意味のようなことでも、実際に当たってみると、そこに大きな人生の意味がある。
極めて些細な家庭の仕事の内にも、人生の意味の発見があり、私のところでは、この意味で神経質が全治し、あるいは悟りの境涯にも達することができるのである。

我々の知識の進歩・真理の発見には、まず疑問・懐疑というところから出発する。
疑問があってこそ、初めて研究心が起こるのである。
我々は先入観や伝統や独断やで、そのままに決めてしまって、少しも疑わない時には、ただの凡人である。リンゴが落ちる事を真剣に疑問としてこそ、初めてニュートンが、引力を発見したのである。

人間の指は、切りそろえたように、一様ではなくて、なに故に長短が不ぞろいであるか、といえば、強迫観念ならば、正に詮索・疑問恐怖となるべきところである。
しかるに深くこれを研究・考察する時に、誠にこれは掌中に、球をつかむに、ピッタリと適応するようになっている。
猿の親指は、人間のように、他の指と相対向せずに、同じ方向に向かい、枝に飛びつくにはよいが、物をつかむには不適当にできているのである。


これは日常生活の心得について説明されている部分である。
イヤイヤ仕方なしに手掛けていくなかに、関心、興味、疑問、懐疑、気づき、発見が生まれてくることが肝心なのである。
先生に言われたから仕方なくやっているのでは、興味や関心などは生まれてこない。
こういうのはお使い根性の仕事だといわれている。
また神経症の克服のための実践や行動は、心が常に神経症の克服に向いている。
物事本位にはなっていないので、関心や興味を持とうとしても無理なのである。

最初は気が向かない、さぼって楽をしたいと思っても構わない。
その自然な感情をそのままに感じ取ればよいのです。
でも放っておくこともできないので、しぶしぶ手をつける。
仕方なく起床して会社に行くための準備を始める。
すると停滞していた感情が、行動に促されて少しずつ動き出していくのです。

最初は他人から強制されたことでも、神経症を治すという実践・行動でも構わないのです。
イヤイヤしぶしぶでも全く問題ない。
観念中心の世界から、行動の世界へと方向転換するという事が肝心なのです。
行動していくと、ついそちらのほうに気を取られて、症状のことは気にも留めていなかったという状況がしばしば現れるようになります。
その先に関心、興味、疑問、懐疑、気づき、発見が生まれてくるのです。


このことを森田理論学習で学び取り、実生活に応用できるようになると、第一段階の神経症の克服は達成できるのです。またこの段階をきちんと踏んで、基礎固めを行わないと、次の本丸の第二段階の神経症克服には向かうことができません。
無理に進むと砂上の楼閣を築くようなものです。混乱して、いつの間にか破綻します。
ちなみに本丸は「かくあるべし」を減少させて、事実本位の生活態度を身に着けることです。
そして生の欲望そのものになり切れば、森田の達人の域に達することができます。
ここまでくれば、よくぞ人間に生まれたりと感謝できるようになります。





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Last updated  2020.05.25 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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