森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.06.03
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逆転人生という番組で、借金地獄で苦しむ中小企業の経営者に寄り添う経営コンサルタントの吉川博文さんの紹介があった。

吉川さんは大学卒業後商社マンとして活躍されていた。
そんなある日、輸入業を営む両親の借金の連帯保証人になった。
その借金は商工ローンで金利は35%だった。最初は300万円借りたという。
しかし商売が軌道に乗らず、借金が膨らむばかりで、吉川さんが家業を手伝うことになる。
それでも経営は上向かず、とうとう闇金融にまで手を出した。
借金は7500万円まで膨らんだ。
そうなると借金の返済のことで頭がいっぱいになり、仕事に手がつかなくなった。
酒をあおる。自分を責める。生命保険金で借金を返済しようと考えるようになる。

しかし友達に連帯保証人になってもらっていたため、その選択肢はなかった。
その時、闇金融は法律違反という事を知り、一人で交渉に向かった。
熱湯をかけられたり、胸ぐらをつかまれたりした。
それでも粘り強く交渉をした結果、借金が2000万円台に減額になった。
すると事業に集中することができるようになり、数年後に借金を完済したという。

その後、吉川さんはブログを立ち上げて、事の顛末を紹介した。
すると大きな反響があり、吉川さんは失敗の経験を活かして経営コンサルタントになった。

中小企業が倒産に至る過程は、外的要因よりも、社長さんの心が折れて、自滅してしまうのだといわれている。食が細くなり、眠りが浅くなる。憔悴して考える力がなくなる。
一人で孤立して、悪循環に陥るといわれている。
これは他人ごとではない。私たちが神経症に陥った時と全く同じである。

吉川さんは、相談者の心にしっかりと寄り添う事を心掛けておられる。


1、外食に連れ出す。おいしいものを食べれば少しは元気が出る。
経営コンサルタントでこんなことを考える人は少ない。

2、相談者同士をつなげる。集談会のような勉強会を立ち上げておられる。
2000万円の借金を抱えている人が、他の参加者が「俺は7億円の借金を抱えている」というような話を聞くととたんに気が楽になるのだという。共感できるのである。
仲間同士で体験交流をすることが欠かせない。孤立することは極めて危険である。


3、一日社員になって現場を知る。レストランなら皿洗いをする。
対策のヒントは現場に隠されているという信念を持っておられるのだ。
数字だけではどこに問題があるのかは分からないといわれる。
アジアンテイストの料理店を4店舗持っている人のところでは、自宅兼事務所にも足を運んでいた。すると経理関係の書類は放りぱなしであることが分かった。
未開封の封書もたくさんあった。
経営者は厳しい経営状態に向き合うのが苦しくて、つい放り投げていることが分かった。
返済のプレッシャーを一人で抱えて、現実に向き合う気力がなくなっていた。
吉川氏は経営者を責めることはしないで、膨大な書類の整理を手伝い始めた。
経営者には味方が必要だといわれていた。
経営者は経営コンサルタントの先生がここまで親身になってくれるとはと感激していた。
森田では現実、現状に対して、実際に足を運んで確認するという事だろうと思う。
そうすれば、やるべき課題が見えてくる。
その経営者が一人ではやれそうもないときは力を貸してあげる。
この経営者の場合は口で言うだけではなく、一緒に手伝うことが必要不可欠なのです。
これはどこまでも寄り添ってあげるという事だ。

神経症でのたうち回り、生きづらさを抱えている人に対しても、この3つはとても大事なことだと思う。





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Last updated  2020.06.03 06:28:25
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