森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.08.28
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カテゴリ: 行動のポイント
森田先生は練習と本番は違うといわれている。
練習はどうも背水の陣を引くことが難しい。
失敗してもよいという気持ちが入っているので、上達が遅れる。

およそ練習という事は、型であり・模擬であり・畳の上の水練である。
これが実際生活から遠ざかるほど、ますます虚偽になってしまう。
練習が役に立たないというのは、その方の弊害の点を強調していったままでの事で、それが全く必要ではないという意味ではない。
何事も常に、実際に当面する時には、真剣になるから、多くは我ながら予想外に、うまくできるものである。(森田全集 第5巻 437ページ)

この話をさらに発展させて考えてみようと思う。
森田先生も基本の反復練習の必要性は認めておられる。

型が出来上がってないと、自己流になる。いわゆる型無しである。
最初から自己流では、本番で成果を出すことが難しい。
しかしいったん型が出来上がった人は、本番を想定して、真剣になることが必要だといわれているのだ。一心不乱になる必要がある。

普通は練習の段階で、早く型を身に着けようと一心不乱になる。
型を身に着けてしまうと、いつでもどこでも練習通りできるという自信が出てくる。
すると練習の時に、気を抜くようになる。これが問題なのです。
これは「型崩れ」ということです。
この時精神の緊張感がなくなり、弛緩状態に陥るのです。
これが最も危惧されるところです。

一旦型を身に着けたときに、「だいたいコツは掴めた。もう安心だ」と思って、そこに安住してしまうと、もうその後の進歩はなくなる。
そのうち練習時間も短くなり、練習に飽きてくる。

つまり、練習通りの十分なパフォーマンスを出すことができなくなり、自己嫌悪に陥る。

反対に型を身に着けたとき、「やっとスタート地点に立つことができた」と思ったらどうだろうか。そこにとどまってはいないはずだ。新たな課題や目標に向かって動き出す。
成果を上げているライバルを目標にして、努力精進していくはずだ。
プロ野球の選手もそう思って取り組んでいる選手しか大成できない。

「守離破」という言葉があるが、この段階は「守」の段階だと思っている。

これからは努力精進を重ねてさらに進歩させていく。「離」の段階に進むのだ。
その過程で、気づき、発見、工夫、アイデア、意欲の高まりがどんどん増えていく。
改善や改良を積み重ねて、もとの型とは違ったものが出てくる。
自分にぴったりと合う感覚が自然に身についてくる。
これは森田理論でいう「努力即幸福」の世界です。
感情も一つのことにとどまっている段階から、どんどんと勢いよく流れるようになる。
神経症とは縁のない世界に入ることができるようになる。

さらに弾みがついて、今までになかったような段階に到達すると「破」の段階に至る。
その道の達人といわれるような域に達する。
本番が大切だというのは、ますます感情を刺激して、精神の緊張状態が継続し、一心不乱になる度合いが高まることであると思う。





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Last updated  2024.06.02 23:51:21
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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