森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.09.10
XML
カテゴリ: 感情の法則
森田先生は、神経症を治すには、不安の特徴や役割を学習して、取り除こうとしない覚悟を養成することが大事だといわれている。ただその覚悟を持っただけではうまくいかない。
不安や不快な感情が変化流転するように仕向けることが大切であるといわれている。
それを「感情の流転」ということで説明されている。

ある人が形外会で「女中が紅茶の入れ方が悪かったというような、ちょっとしたことが癪に障って、3時間も4時間も、不快な気持ちが治まらないことがあります」と質問された。

これに答え森田先生曰く。
恐怖や不安、憎しみや悲しみ、そういった自分にとって不愉快と思われるものをどうにか排除しようとする。それがかえってその感情に固着させることになり、その感情を引き起こす行動を避けるようになる。あるいは、それを打ち消そうとして余計な行動をする。

「このとき癪に障るとか、気長くするとかいうような評価を離れて、その時々に起こる連想の波に、そのまま乗っていく。
女中が紅茶を持ってきた。「どうしてこんなに遅いのか。飲んでみれば薄い。一体どうしたのだろう。いつでもあいつはずぼらだ。いっそのこと追い出そうか。
しかし今日は雨が降るから明日にしようか。

家の盆栽の桜も咲きかけたが、桜の盆栽もよいものだ」
というふうに、自由な心の流転にまかせておけば、連想は連想を引き出して、下手な作為を超越して、全く思いもかけぬ事に移り変わって、女中への腹立ちも、いつしか桜の風流に変化してくる」(森田全集 第5巻 653ページ)

連想が連想を引き出すというのは、一つの感情にとらわれるのではなく、谷あいを勢いよく流れる小川のように変化させるということです。

これを存分に応用する方法をご紹介します。
例えば自家用野菜に取り組む場合のことです。
まずは、野菜を植えるために、発酵鶏糞などを散布します。
苦土石灰や肥料をまきます。その後土を耕し畝を作ります。
マルチの必要なものは、マルチを張っておきます。
苗や種を植えて水をたっぷりまきます。
ハクサイやキャベツには虫よけネットを取り付けます。
トマトなどには雨よけを取り付けます。

間引きをします。脇芽をとり除きます。
虫に食われていないか、病気になっていないか注意します。
生育に応じて支柱を立て、ネットを張ります。
生育の悪いものには成育促進剤をやります。万田酵素やHB-101などです。
精魂込めて世話をすると3か月か4か月すると収穫できるようになります。

たくさん獲れると保存方法、加工技術を考えるようになります。
あるいはおすそ分けや道端での販売を考えるようになります。
それから次にどんなものを作ると連作障害が起こらないか考えるようになります。
つまり輪作体系のことを考えるようになります。
合わせてホカホカの土つくりについても考えるようになります。
そして野菜の生育日記をつけて次回に活かすことを考えるようになります。

このように取り組んでいくと、ただ単に機械的に野菜つくりをするのではなく、次々に注意や関心が移っていくことがお分かりだろうと思います。
弾みがついて無我夢中になり、どんどん楽しみが増えていきます。
世話をしながら、どんどんと成長する野菜を見守ることは、子育てと同じです。
これが森田先生の連想が連想を生むということだろうと思います。
一つの感情にとどまっているのではなく、とらわれる対象が次々と変化していくというイメージです。これが神経症のとらわれから抜け出す一つの方法となります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020.09.10 06:20:05
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: