森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.09.17
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カテゴリ: 森田番外編
ピーク・エンド法則とは。最も感情が動いたとき(ピーク)と、一連の出来事が終わった時(エンド)の記憶だけで、ある経験について全体的な印象が決定されるという法則です。

つまり、途中でどんなに苦しい事、悲しいことが連続していたとしても、一つの感動体験とそれらを乗り越えて、最後に到達した地点によって、それまでの葛藤や苦悩はすべて清算されてしまうという考え方です。終わりよければすべてよしということです。
これは2002年ノーベル賞を受賞した、行動経済学者のダニエル。カーネマンが提唱している理論です。

具体的な例で説明しましょう。
ディズニーランドなどで人気のあるアトラクションでは長時間の待ち時間があります。
2時間とか3時間になることもあるそうです。考えただけでうんざりします。
順番が来て、やっとお目当てのアトラクションに乗れました。
しかしその時間はたったの5分間ぐらいなものです。
待ち時間に比べて、楽しみの時間が少なすぎです。


ところが実際には、お目当てのアトラクションに乗れたという結果と満足感によって、長い待ち時間という精神的・肉体的な苦痛は相殺されてしまうのです。
ハッピーな気持ちになれるのです。
考えてみれば不思議ことですが、それが事実です。

これと同じように、私たちは症状は千差万別ですが、それぞれ神経症で苦しみました。
幸運なことに、その途中で森田療法に出会いました。
さらに生活の発見会という自助組織に関わることができました。
葛藤や苦悩の末にやっと光明を見つけ出したようなものです。

森田で救われるかもしれないと思った体験は、人生の転機となりました。
感情が大きく揺さぶられるピークの体験を一度は持つことができたのです。
ところが、そのまま人生が好転したわけではありません。
紆余曲折の連続でした。人生を投げ出してしまいたいと思うことも何度もありました。

つまり波でいえば、いったんピークをつけて、またずるずると下降して来た運勢が最後にまた上昇して、ついに以前のピーク地点を追い越していたというイメージだと思います。
理想通りの人生を歩んできたといっても過言ではありません。

もしピーク・エンド体験がなかったらと思うと、ぞっとします。
神経症を抱えながら、森田との出会いもなかった。自助組織とのかかわりもなかった。
森田理論の深耕体験もなかった。自分の人生は最後まで神経症との格闘の歴史であった。


こうして人生の最終章を迎えた人に比べると、自分はなんと幸せな人生だったことかと思わずにはいられません。
運命とは言え、森田と出会い、森田でもまれて、最後には富士山頂に到達することができた。
これは望外の喜びであったと思えるのです。
つらいと思いながらも、目の前の一歩を踏み出し、歩き続けることで、気が付いてみるととんでもないところに到達していたという気持ちです。
森田理論を学ぶ機会に出会えたこと、一緒に学ぶ仲間に出会えたことに感謝したいと思います。
そしてその受けた恩恵は必ず後世に伝えてゆきたいと思っております。





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Last updated  2020.09.17 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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