森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.13
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森田先生は、間違った言葉使いに対して鋭く批判されています。

例えば、「先生がいらっしゃった」というところを、「先生が来た」という。
「婆やが来た」というところを、「婆やがいらっしゃった」という。

親に対して、「お菓子を頂戴」というところを、「お菓子をくれ」などと言う。
友達に対して、「お菓子をくれ」というところを、「お菓子を頂戴」などと言う。

これは親が子供に対して、最上級の言葉でもって、習慣づけようとするからである。
その子供は、成長して後にも尊卑高下の区別ができなくなる。
これは言葉使いの修養が足りなかったためだ。
言葉や行儀なども、いたずらに形式になじんで、時と場合による適応ができないからである。


森田先生は、言葉使いは、人を見て、臨機応変に使い分けることが大切だといわれているのです。目上の人や上司や先生などに対しては、尊敬語、謙譲語を使う。
年下の人や部下や生徒などに対しては、決して、尊敬語、謙譲語は使ってはならないといわれているのだ。

たかだか言葉使いにそんなに目くじらを立てなくてもよいと思われるかもしれない。
第一神経症の克服とどんな関係があるのだと反論されるかもしれない。
森田先生は、言葉遣いを、その場の状況によって使い分けできないということは、その他の変化に対しても、素早い対応ができないといわれているのだと思う。
頭が弛緩状態に陥って、とっさの変化対応には間に合わない。
昆虫の触角がピリピリと周囲の変化に反応するような状態にならない。
こうした変化対応は、思いつくことさえできないということになるのです。

森田理論は、変化に素早く対応する態度を身に着けさせようとしているのです。
そういう態度で生活するようになればよいと教えてくれているのです。
変化対応力は、観念的な世界にどっぷりとつかっていては身につかない。

外に出て緊張感を持って、実践・行動する中で身についてくるものである。
子供のころからいろんなことに好奇心を持って、心身を活発に動かしていくことで身に着けていくものです。
この変化対応力は、成長した大人が身に着けようとしても、なかなかうまくはいかない。
それは習慣として凝り固まり、すでに臨機応変な変化対応力への親和性がないのである。
特に、言葉使いなどは、治そうとしても、すぐに地が出てしまう。


凡事徹底、日常茶飯事を大切にして、頭よりはまず身体を動かす。
そうすることで、興味や関心、気づきや発見が多くなる。
そして、工夫やアイデアが生まれて、やる気が意欲を高めていくことができる。
緊張感のある生活のほうが、変化に気づきやすいということです。
次に変化に気づいたときは、即座に対応することが大切になります。
変化に対応する習慣は、思考パターンがこれから先に向いているので、過去のミスや失敗で後悔ばかりということはなくなります。





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Last updated  2024.06.03 11:06:33
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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