森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.12
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森田先生の観察力というのは徹底している。

1、自分が座敷に座っていて、そこを人が通ろうとする時、人に自分の前を通らせようとする人、15人。自分がちょっと身体を前にずらせて、人に自分の後ろを通らせる人、27人。

2、自分の家にある蜜柑とか枇杷とかを食べるとき、悪いものから先に食べる人、20人。よいのを先に食べる人、22人。

3、風呂に入るとき、ひと思いに飛び込む人、2人。ジリジリと、身体を沈める人、40人。

4、同じく入浴するとき、惜しげなく風呂桶で湯を汲み出す人、8人。最小限度に倹約して使う人、34人。

5、食事のとき、おかずを好きなものから、先に食べる人、22人。好きなものを後に残して、最後に食べる人、20人。

6、外出のとき、お金を持たずに平気で出る人、2人。金を持たねば不安の人、40人。

7、朝、顔を洗うとき、石鹸を使う人ね13人。石鹸を使わぬ人27人。
(森田全集第5巻 541ページより引用)


森田先生は、おおよその傾向が分かればよいという態度ではない。
仮説を立てたことは、実際に調査をしてみる。
人の意見やうわさ話を事実として認めるということはしない人でした。
先入観や思い込みで事実を捻じ曲げることがない。
ほんとにそうなのか、間違いない事実なのか、事実に対するこだわりが半端ではない。
「事実唯真」が森田の目指している態度ですが、これを徹底されています。

次にここで注目したいことは、事実が分かったとして、是非善悪の価値判断をされていないということだ。例えば、風呂に入ったとき、惜しげもなくお湯を汲み出す人は駄目だとは言われていない。まず正確で客観的な事実を白日の下にさらけ出すことに注力されている。
普通は、中途半端に事実を見てしまう。そして急いで、是非善悪の価値判断をしようとする。
価値判断を急ぐあまり、事実を確かめる作業をおろそかにしてしまう。
どちらかというと、事実はどうでもよい。
それよりも、自分がどういう価値判断を下すかがより重要なのだと思っている。

森田理論学習は、その態度を逆転させることを目指しているのだ。
完全に習得することは難しいが、その方向を向いているかどうかが決定的な違いとなる。





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Last updated  2020.10.12 06:20:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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