森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.16
XML
カテゴリ: 行動のポイント
森田先生は入院中の患者に次のように注意されている。

掃除や炊事などをするときに稽古をする、練習をするという気持ちで取り組んではいけない。
また別のところでは、いつまでもお使い根性で行動してはいけないとも言われています。
神経症の克服のために、先生の指示に従って日常茶飯事に取り組むような態度では治らないといわれています。

実行や行動は真剣に取り組むことが必要である。
指示したことに対して、一心不乱取り組んでもらいたい。
ものそのものになってやってもらいたいと森田先生はおっしゃっているのです。

この点に関しては、なるほどそうかと納得はできますが、現実問題として大変難しいと思います。例えば仕事などに対して、生活を維持するためにイヤイヤ仕方なく会社に行っているのに、真剣に仕事に取り組みなさいと言っても無理がある。
一時的にはそうなっても、継続することは難しい。


この問題に対して私は次のように考えています。
初めて取り組むような仕事・課題・問題点に対して、最初から意欲満々という気持ちにはなれない。イヤイヤしぶしぶ仕方なしに取り組むことが多い。
ましてや、他人から指示・命令・脅迫されての行動は、自分の意志ではないので、苦痛である。
だから、気分本位になり、いい加減に取り組む。
さぼる。怠ける。すぐに止めてしまうことが起きる。
それが普通なのではないかと思っています。

ここで大事なことは、やる気がなくても、人から強制されたことでも構わない。
実践・行動に手を付けたということが肝心だと思います。
最初から気分本位になって、実践・行動を避けるという態度ではまずいと思います。
最初はイヤイヤ仕方なしに取り組み始めることが一般的であるということです。
それで構わないし、全く問題はないと思います。


やる気がない仕事ぶりは、心身ともにストレスとなって、自分自身を破壊していきます。
これを打ち破るのは、「ものそのものになってみよ、天地万物すべて我がもの」という森田の考え方です。実践・行動していると、つい時間の経つのを忘れて、無我夢中になることがあります。その時は一心不乱に取り組んでいます。この経験は誰にもあると思います。
こういう経験を持つことが大切になるのです。

森田では取り組んでいることをよく観察しなさいと言います。
見つめていると、自然発生的に、気づき、疑問、発見、課題、問題点が見えてきます。

それに伴って意欲、やる気、情熱、モチュベーションが高まります。
他人から指示されなくても、自然に体が動いてきます。
行動することによって、さらに新たな気づき、疑問、発見、課題、問題点が見えてきます。
これによって、さらに上の目標に向かって行動するようになります。
この好循環を作り上げることが肝心なのです。
この好循環の流れに乗ると、生きがいを持ててうれしい。
日々生活することが楽しいということになるのです。
生きがいを見つけたということになるのです。

ですから、最初は気が進まなくても一向にかまわない。
他人から、指示、命令、脅迫されての行動でも全く問題はないのです。
むしろそれが普通である。でもそれが続くことは耐えがたい苦痛になる。
歯止めをかけるためには、「ものそのものなりきってみる」態度が欠かせないのです。
練習や稽古という態度はよくないというのは、誤解を生みやすい言葉です。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.06.03 09:29:21
コメントを書く
[行動のポイント] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: