森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.12.04
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森田先生のお話です。

病の治療をするのは、実は「時機到来」である。
なるべき時になるのである。
この事は、慢性病に限らず、急性病のときにも、これと同様の関係がある。
発熱の時でも、その熱の上がり始めの時は、強いて解熱剤を与えても、なかなかこれを食い止めることはできないで、かえって自覚的にも、苦痛を覚える。
これに対して医者は、しばらく時期を観察して、熱が下り坂になった時に解熱剤を与えると、熱は順調に下がって、身体にも軽快の気分を覚えるのである。
種々の急性病、あるいは熱性伝染病のようなものでも、その自然の経過に従いて、決して自然良能に反抗するような事をしてはならない。
黄疸疫などでは、その初期高熱の時に、強いて、強い解熱剤などを与える時は、そのために心臓麻痺を起こして、死ぬことさえもなるのである。
(森田全集 第5巻 566ページより引用)


大金をはたいてでも、何とか早く治してもらいたいと思います。
しかしワクチンが開発されていないので、どうすることもできません。
自分の免疫機能がコロナウィルスに打ち勝って、自然治癒力に頼るしかないのが現状です。
助かる人は助かるが、持病を抱えている人や高齢者は力尽きてしまう人もいます。

こういう突発的な身体的病気やケガに見舞われることは、誰でも経験があります。
また、突然オレオレ詐欺やあおり運転などのトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。
世界を見渡せば、紛争や戦争に巻き込まれて、家や財産を奪われて、命の危険にさらされながら生きている人たちもたくさんいます。

こうした身体的な葛藤や苦痛は、それに輪をかけて精神的な動揺をもたらします。
森田先生はこうした事象に対して、慌てふためいて、やみくもな対症療法に走ってはいけないといわれています。現実には、動揺して安易で心やすめの対応をとる人が後を絶たない。
森田先生は、まず病気やケガ、出来事をよく観察しなさいと言われています。
今の状況を、できるだけ正しく把握しなさいといわれています。


風邪などの場合は、ひきはじめの場合は、発熱を抑えようとしても難しい。
自分の体の中の免疫機能が働いて、病原菌と戦っているのです。
その生理現象を理解しなければならない。
その戦いの証拠として発熱が起きている。
これを解熱剤で押さえるというのは、せっかくの免疫力を抑え込むようなものである。

それで仮に免疫力が病原菌に打ち負かされるようなことになっても、それを受け入れる覚悟を持つしかない。好むと好まざるにかかわらず、その道しかないということだ。
風邪などの場合は、白血球と病原菌の戦いに決着がつけば、自然と発熱は収まってくる。
その時に補助的に解熱剤を用いると、追い風を受けて、熱は速やかに下がるということだ。





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Last updated  2020.12.04 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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