森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.12.13
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カテゴリ: 森田番外編
中国新聞の11月1日の記事に次のようなものがあった。

大阪大学のM教授らの調査によれば、「コロナウィルスの感染は自業自得だと思う」と答えた人の割合は、米国では1%だったのに対し、日本では11.5%もいたという。
逆に「コロナウィルスへの感染は自己責任ではないと思う」と質問した場合、外国人は60~70%の人がその通りだと答えていた。日本人では29.25%だったという。

これが何を意味するのかを考えてみたいと思います。
日本ではコロナウィルスへの感染の防止のためには、自らの力で万全を期してくださいということになります。基本的には、国民の総意として、コロナウィルス感染は自業自得ということです。国や地方公共団体は感染防止のために、自宅待機、リモートでの仕事や授業の推進、移動禁止措置、業務自粛の要請を行います。コロナウィルス感染拡大の防止のためです。
ただし、それらに応じた人たちに対して、手厚い粗利補償、生活保障は行いません。
廃業や倒産する個人商店や中小企業が発生しても、それは運が悪かったとあきらめてくださいということになるのです。

日本の銀行は以前は護送船団方式といって、つぶれる銀行は他の銀行が手を差し伸べて絶対につぶさないという方針を持っていました。
つまり助けあい、相互扶助の精神が貫徹されていたのです。

田舎では、共同体としての活動が自分たちの生活を守るという側面がありました。
治水、水利利用権、農作業、屋根の吹き替え、山野の保全、葬儀、子育てなどは地域全体が協力し合っていました。

現在は自由で束縛のない社会、経済、生活への要請にこたえて、助け合い、相互扶助、共同体の維持という日本式の精神はほぼ解体されました。
田舎でさえも、隣近所の人とは人間関係は希薄になっています。
自己の責任で他人に迷惑をかけないようにして、自由自在に好きなことに取り組んでください。葬儀も葬儀会社に頼んで行ってください。焼香にだけは行きますからという風潮です。
これでは都会のマンション暮らしと変わりません。
マンション暮らしで隣の人とかかわるのは、騒音、ごみ処理などの迷惑行為があった場合に限られています。

今や多くの人が横の人間関係を断ち、個人の殻に立てこもって生活するようになりました。
その生活を破壊する場合には、激しく抵抗を見せる。
それ以外は「隣の人は何をする人ぞ」というスタンスで、基本的には無関心を装います。
こういう殺伐とした生活を益々加速させる社会になろうとしています。

「今だけ、金だけ、自分だけ」という閉塞的な社会になりつつあります。
そういう目的を持って行動している人たちを、常にウォッチしていないといつの間にか取り込まれて抜け出すことができなくなる。自分の生活がどんどん破壊されてしまう。
常に後ろを警戒していないと、いつ襲われるかもしれないという社会が目の前にまで迫っているのです。群れる事を忌み嫌う人間に将来はあるのでしょうか。
多くの人が森田理論を学習することで、人間関係の在り方を見直してほしいものです。





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Last updated  2020.12.13 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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