森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.12.24
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厚生労働省のデータによると、神経症で病院にかかっている人の数は次のようになっている。
平成14年50万人、平成17年92万人、平成20年104万人、平成23年95万人、平成26年112万人、平成29年127万人である。
ちなみに、うつ病で治療している人が、それぞれ、71万人、58万人、59万人、57万人、72万人、83万人となっている。

厚生労働省は、日本における神経症の患者は、おおむね100万人とみているようである。
神経症は病気であり、治療が必要であると説明している。
この点、森田先生の神経症を病気とみなすと、治らないという見解とは違う。
厚労省は薬物療法と認知行動療法を勧めている。

蛇足ながら、強迫観念についての説明は次のようになっている。
強迫観念は、無意味ないし不適切、侵入的と判断され、無視や抑制しようとしても心から離れない思考や衝動およびイメージなどである。


厚生労働省の100万人という数字は、あくまでも神経症の治療を受けている人である。
不安に振り回されながらも病院の治療は受けていない人は多い。
不安に振り回されながら、生きづらさを抱えて苦しんでいる人も多い。
神経症の予備群は相当な数に上るとみている。

これに対して森田療法が第一選択肢として選ばれることはほとんど皆無である。
神経症の自助グループである生活の発見会の会員が約2000人というのは、いかにも少なすぎる。
この原因については、以前に投稿したことがある。
3つの理由があると説明した。

私は、神経症で生活が行き詰った人は、精神科にかかり、薬物療法を受ける。
精神療法として認知行動療法を受けることは問題ないと思う。
蟻地獄から地上にはい出るためには、手っ取り早いかもしれない。


問題は最悪期を乗り越えたから、以後神経症と手が切れるかという点から考えると心もとないのである。火山の下にはマグマだまりがあり、いつも地表にエネルギーを放出する機会を今か今かと待っているような状態だからである。
その観点から助言すれば、一旦神経症が治まった時にどうするのかが肝心なのである。
神経症は認識の誤りから生まれているので、その誤りを正して、神経症を再発させないということが欠かせないのである。そうしないと、以後の人生は苦渋に満ちたものになる。

それに対応しているのが、生活の発見会の集談会で行っている森田理論学習なのである。
森田理論は神経質性格者の生き方を学ぶ理論なのである。

薬物療法にしろ、認知行動療法にしろ、生涯にわたってかかわりあう、かかわりあいたいと思う人はいないであろう。その点、森田理論は生涯学習として学んでいる人が多い。
森田療法に出会い、仲間とともに学び成長していけることに大きな喜びを感じている次第です。
現在の集談会はコロナの影響もあり、活動が停滞している。
また参加者が少なく、期待以下だったとがっかりする方もいらっしゃると思います。
今は波でいえば大底に入っている。しかし今から上昇していくと信じている。
それまではこのブログで学習を続けてもらいたいと願っています。





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Last updated  2020.12.24 06:20:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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