森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.12.28
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岡田尊司氏が「カサンドラ症候群」という本を書かれている。
内容は夫婦の人間関係の問題点を指摘されている。
夫婦の気質の違いが、家庭内別居や離婚に至るケースが後を絶たない。
同じ家に住んでいても、会話が全くない、食事も別々、洗濯も別々という夫婦である。
結婚当初はこの人なら一生添い遂げられると思っていたのに、いつの間にか決定的なボタンの掛け違いが起きてしまったのである。
こうなると精神的に苦しくなり、身体面にも悪影響を与える。
離婚してしまうと、精神的には楽にはなるが、経済的には苦しくなる。
また子供への悪影響が懸念される。

岡田氏は気質の違いについて次のようなパターンが多いと分析されている。

将来のことも計画的に考えている。人間としてしっかりしている。
それらが結婚する前には、安定感、信頼感、責任感がある人に見えてしまう。

その一方で、家庭を持っても単独行動を好む傾向が強い。
親戚付き合いや近所の人との交流は避ける傾向がある。
多くの人との交流を楽しむというのではなく、自分の趣味を見つけて自分の世界に浸る。
他人との交流の中で楽しみや心の安定を見つけたいという気持ちが希薄なのです。
家事や育児を手伝うということも希薄である。
妻が病気になっても、親身になって心配することがない。
「すぐに病院に行きなさい」と指示しても、「今日の夕ご飯は外で済ましてくるから心配しなくてもよい」などと言う。病気の妻の看護や食事については無頓着なのである。
また育児や子育てに関しては妻に丸投げとなる。
授業参観日にも学校へ行くようなことはない。

水を得た魚のような感じで、赴任先での生活を謳歌している。
月に一回の帰省も煩わしいとさえ考える人もいる。
単身赴任先の気ままな生活が自分にはぴったりだと思っている。

こういう人の特徴は、共感的な思いやりや情緒的な反応が元々乏しいのです。
岡田氏は愛着障害や大人のアスペルガーを抱えている人もいると指摘されている。

私が見るところ対人不安を抱えている人はこの傾向が強いように思う。
反対に不安タイプの人は、家族や仲間の和を大切にされるケースが多い。
そういう視点で人間観察をしてみると、はっきりと認識できると思います。

共感性や情緒的なつながりを大切にする女性が、こういう傾向の人と結婚するとどうなるでしょうか。自分は自己中心的で思いやりのかけらもない鉄仮面のような様な相手を選んでしまった。
人生最大の汚点であったと考えてしまうのではないでしょうか。
一刻も早く離婚したい。経済的な理由で離婚不可能なら、没交渉でやっていくしかない。
家庭内別居で会話もない。食事も洗濯も別々というふうになります。
そういう夫婦が同じ家に住んでいると、精神的、身体的な悪影響がでてまいります。

この問題はどちらが良いとか悪いとかの問題ではない。
お互いに自分の気質とは、相いれない人と結婚したのだという認識を持つことが必要になると思う。認識できれば、その大きな溝をどうすれば埋めていくことができるかという出発点に立つことができる。認識できなければ、今の状態が継続されて、夫婦の人間関係は完全に破綻してしまう。

自己中心的な人は、共感性や情緒的な人間的なつながりを求める配偶者に対して、歩み寄る必要があります。例えば、仕事先から「今から帰ります」というメールをする。
急な飲み会に誘われたときは、事情説明をして了解を得る。
土日はできる限り子供や家族で過ごす時間を作る。
月に1回は、配偶者や子供のために花やお菓子などのお土産を買って帰る。
単身赴任の場合は、必ず月に1回か2回は帰省する。
あるいは家族を単身赴任先に呼び寄せる。
子供の授業参観日には極力行くように心がける。
家事の分担を決めて毎日手伝うようにする。
年に1回は家族旅行を企画して、団体行動をする。

これらは単独行動を好む人は面倒に感じることばかりです。
ですから、あえてそういう意識を持って行動する習慣を作り上げる必要があります。
これらはその気になればすぐに実行可能なものばかりです。
この積み重ねが大事なのです。
そういう気持ちをしっかりと持っていないと、絵に描いた餅になってしまいます。
その認識を持つことが大切です。

共感性を大切にする人は、単独行動を好む人に対して、あまり多く口を挟まない。
相手の行動に対して、大きな支障がない限りは、大目にみてあげる。許してあげる。
包容力を持って、見守るというイメージです。
問題がある場合は、私メッセージで伝える。
溝を埋めるために、イエローカードを利用する。家族会議を行う。
難しいときは、カウンセラーなどに立ち会ってもらう。

つまり森田理論でいう不即不離の夫婦関係を目指すということです。
せっかく縁あって一緒になったわけですから、お互いにいがみ合って心身共に疲弊してしまう事だけはなんとしても避けたいものです。
再婚して新しい生活を求める人もいますが、精神的・経済的には大変な思いをされている人が多いように思われます。





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Last updated  2020.12.28 06:39:16
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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