森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.01.04
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
大リーグで活躍されたピッチャーの野茂英雄さんのお話です。

野茂さんはストレートフォークボールで勝負してきた。
成績が悪くなると、周りから「なぜスライダーを覚えないのだ」とか「チェンジアップがあると、もっとピッチングの幅が広がるぞ」と助言されたそうです。

これに対して野茂さんは、自分のやり方は変えたくなかったといわれています。
変化球をまじえての「打たせてとる」ピッチングは、自分の志向する野球とは相容れない。
かりに、そうしたピッチングの方が有効だったとしても、自分を偽っての白星は、真に心を満たすものではない。心の底からカタルシスを得ることもできない。
(超一流の自己再生術 二宮清純 PHP新書参照)

2つの球種だけだとバッターからは球種を絞りやすい。
ストレートだけを狙ってタイミングをとればよいということになる。


普通のピッチャーは、他の変化球を覚えて打者に的を絞らせないようにと考える。
このやり方は、もともと自分が持っていないものを、練習によって精度を高めて、試合で通用するものに変えるというやり方です。
この方向で球種を増やしていくのがセオリーである。
こうした方向で、自分のピッチングの幅を広げていくことは素晴らしいことだと思う。
ピッチャーとしてだけではなく、人間としての生き方にかなっている。

野茂選手は自分の持っているストレートとフォークボールに自信があったのか、その方向には向かわなかった。成績が悪くなるときは、コントロールを乱した結果、自らのピッチングパターンを押し通すことができなくなったからだと分析していた。
メカニックの微妙な狂いが成績の悪化を招いているという認識なのです。
だから、他の変化球を覚えることよりも、ストレートのコントロールの精度を高めていくことが何よりも大切になる。そのためにはまず足腰を鍛えていくことが有効になる。
次に映像による動作解析によるフォームの修正に取り組んだ。
今はピッチングフォームをデジタル処理して、線の動きでフォームのチェックを行うことができる。ボールを投げる際の肩やヒジの位置、肩の幅、スタンスの幅、腕の振り・・・。
この分析によって、成績の良かった時と比べると、上半身のブレが見つかった。

一時成績を落としたシーズンもあったが、2001年13勝を挙げることができた。

この話は神経質性格を持っている私たちにも勇気を与える。
神経質性格は、心配性で小さなことにとらわれて、不安や不快感で精神的に苦しむことが多くなる。神経質性格はよくない。性格改造を行い、少々の不安や不快感を吹き飛ばすような人間になりたいと考える。自分がもともと持っている神経質性格を悪い性格と決めつけて、発揚性気質の人間に作り変えてしまおうと考えがちになるのです。

そう考える前に神経質性格のプラス面にも焦点をあててよく分析してみましょう。
神経質性格も細かいことによく気が付く。感性が豊かである。

好奇心が強く、生の欲望が強い。真面目で責任感が強い。

自分にないものを求めるのもいいのですが、前提として自分の持っているものを再評価してみましょう。そしてそれを鍛える。磨いていく。活用していく。
まずその方面にエネルギーを投入しませんか。
森田理論はそのことを訴え続けているのです。





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Last updated  2021.01.04 06:33:55
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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