森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.07.02
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私は宇野千代さんの考え方に共感を覚える。

私は固く信じているが、人の中には、駄目な人は一人もいないものである。
人と人との相違は、その人が自分の良い芽をひらかせるような気でいるか、或いは摘み取ってしまうような気でいるか、その違いである。

誰にでも、その人の持っている芽、と言うものがある。
その芽を太陽のよく当たるところへ出して、ときどき水をやり、肥しもやっているか、或いはそこら中へおっぽり出して、まるで構わないでいるかで、勝負は決まる。

私の一番嫌いな人は、「私駄目なんです。生まれつき文章なんて書けないんです」という人です。
これは恐ろしいことであるが、つい、今しがた、その気もなくて言ってしまった自分の言葉の、「私駄目なんです。生まれつき、文章なんて書けないんです」と言った自分の言葉が自分の耳に反射して、ほんとうに、自分のことを自分で駄目だと思うようになるのではないだろうか。
噓にでも冗談にでも、自分は駄目だなどと言ってはならない。
自分は書ける、とそう言い切ることである。

謙遜は美徳ではなく悪徳である。

人の持っている好い芽は決して摘み取るものではなく、伸ばすことが大切である。
芽は手当次第でどんどん伸びる。伸びない、などとは夢にも思ってはならない。
伸びる、伸びる、どんどん伸びる。
(行動することが生きることである 宇野千代 集英社文庫 55ページより引用)

集談会で「自分が好きになれない」「自己肯定感が持てない」という話を聞きます。
その最大の原因は、事実、現実、現状と絶えず敵対しているからだと思います。
観念的に考えると、物足りないこともあるでしょう。
決して見逃すことのできない欠点や弱みもあるでしょう。
理想主義、完璧主義、目標達成第一主義を標榜し、コントロール欲求の強い人、征服欲の強い人は、自分や他人の現状を、理想や完全な状態に引き上げることを願っているのです。
犬も食わないような代物を、むりやり口にくわえようとしているようなものです。


そのことに疑いをもっていないことが不幸を招き入れているのです。
空高く雲の上の自分が、地上に降りてきて、悪戦苦闘している自分や他人に寄り添うようにすれば、事態はすぐに好転換します。どんなに問題があろうとも、現実を踏まえて、そこにベースキャンプを張って行動を開始することです。
簡単なことのように見えますが、観念優先の人にとって、かなりの難題です。
宇野千代さんが言われていることは、自分の持っているプラスの面に焦点を当てて、それを活かす生き方をしている人は素晴らしい人であるということです。
それしか生きる道はないのではないかと言われているのです。





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Last updated  2021.07.02 06:29:30
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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