森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.10.06
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
青山学院大学陸上部監督の原晋さんは選手としてはそんなに華やかな実績を上げていたわけではないようです。実績としては、世羅高校時代キャプテンとして全国高校駅伝で準優勝したこと。中京大学3年の時、日本インカレで5000mで3位に入ったことくらいである。
それ以上の成績は残っていない。箱根駅伝も走ったことはない。

中京大学時代は、高校時代に厳しい寮生活を強いられた反動から、練習には身は入らなかったそうだ。コンパ、酒、パチンコで羽を伸ばしていた。遊びに夢中だった。
特にパチンコにはまり、店から出入り禁止になるほどの腕前になっていたという。

大学を卒業後、実業団からは見向きもされず、体育の教員を目指していたそうだ。
そんな時、その年に発足することになっていた中国電力陸上競技部から誘いがあったそうだ。
世羅高校の3年生の時、キャプテンとして全国高校駅伝で準優勝した実績を評価されたからである。中国電力は地元広島では優良企業なので、食いはぐれはないだろうと入社を決めた。
中電には「中国駅伝」に出場してくれればよいからと言われ気楽な気持ちでの入社だった。

ところが入社1年目で右足首を捻挫して思うような成績を出せなくなった。

原さんは、主将とはいえ、向上心に乏しく、練習態度もいい加減で、これではチームの士気が上がってこない。
伝統と歴史を築こうとやってきた坂口さんには、原さんは厄介者としか思われていなかったらしい。原さんは坂口さんに「おまえは何をしに中電にはいってきたんや。覚悟が足りんのじゃ、覚悟が」と絶えず非難されていたという。
原さんは、私はそもそもそのような覚悟を求められて入ってきたのではないと反発していた。
原さんはことあるごとに坂口監督と衝突し、感情的な対立は行く着くところまで行って、もはや修復不可能となった。5年目の1994年についに退部するしかなかつた。
その後1999年中電陸上競技部の創立記念式典には招待状も来なかったという。
第1期生とはいえ、中電陸上競技部の歴史から抹殺したい人物とみなされていたのである。
原さんは、そこまでするかと憤慨していたという。

原さんは、間違いなく27歳で人生のどん底に突き落とされたのだ。
その気持ちは察するに余りあるものがあります。
本来は陸上選手として入社したので、中国電力もお払い箱になっても仕方がないところだ。
原さんは、何とか生き延びて、東広島の営業所に配置換えさせられ、高卒の社員と一緒になって、電気メーターの検針、電気料金の計算、顧客からの集金の仕事を与えられたという。

こんな役立たずの穀潰し、さっさとクビにしてしまえばいいのにという視線を一身に感じていたという。夜はストレス発散のために、毎日のように飲み歩き、体重は60キロから93キロにまで増加した。

普通こんな状態に追い込まれると、生きる意欲をなくし、投げやりになって、自暴自棄に陥ってもおかしくないと思う。そこから失意の人生が幕を開けるのである。
しかし、原さんはそこから逆転人生が始まっている。ここが普通と違う。
山あり谷折りの波乱万丈の人生であったが、あきらめないで前進している。
まず営業で目覚ましい実績をたたき出している。伝説の営業マンとして復活している。

その活躍を見ていた青山学院大学陸上部のOBが監督候補として推薦してくれたのである。
その時点では、今のような華やかな活躍は到底想像できない。
何が支えなったのか、興味は尽きない。
原さんの人間としての復活劇は明日の投稿課題としたい。
(魔法をかける 原晋 講談社参照)





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Last updated  2021.10.06 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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